「まごわやさしい」という言葉をご存じでしょうか?日本人にとって馴染みの深い食材の頭文字を語呂合わせにしたもので、取り入れることで健康的な食生活を送ることができます。今回は「まごわやさしい」の食材や簡単に作れるレシピを、あんしん漢方の管理栄養士、池田明日香さんに伺いました。
バランス食の基本「まごわやさしい」って何?
「まごわやさしい」とは、日本の伝統的な食材の頭文字を組み合わせた合言葉。
食品研究家で医学博士の吉村裕之先生が提唱されている、栄養素のバランスがよい食事の考え方です。
以下の7種類の食材を毎日の食生活に取り入れることは、生活習慣病や老化の対策につながるといわれています。
ま:豆類
大豆をはじめとした豆類のほか、大豆の加工品である豆腐や納豆、油揚げ、高野豆腐などを指します。大豆には、植物性のたんぱく質が豊富に含まれています。
現代の食事は肉や魚などの動物性のたんぱく質に偏りがちですが、大豆製品を組み合わせれば植物性のたんぱく質が摂取できますし、さらに脂質の摂り過ぎを防ぐことにもつながります。
ご:ごまなどの種子類
ごまはもちろん、アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、銀杏や栗などもここに含まれます。
ごまの栄養成分は約半分が脂質で、血中のLDLコレステロールを減らすとされるオレイン酸やリノール酸が豊富に含まれます。
また、カルシウムや鉄などのミネラル、抗酸化作用をもつセサミンなども含まれ、小さな粒に栄養素がぎゅっと詰まった食材です。
わ:わかめなどの海藻類
わかめだけでなく、ひじき、海苔、昆布などの海藻類が分類されます。
海藻類に多く含まれる水溶性食物繊維は、栄養素の吸収スピードを緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えます。また、海藻類には鉄やカルシウム、ヨウ素など、ミネラルが豊富に含まれています。
や:野菜類
食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれる野菜は、1日350gを食べることが推奨されています。
1回の食事で、おひたしや煮物、サラダなどのおかずを1皿以上食べることを意識してみましょう。生野菜なら両手1杯分、加熱した野菜なら片手1杯分が、1食の目安になります。
さ:魚介類
鯖や鮭などの魚類はとても栄養価の高い食材です。なかでも注目したいのは多価不飽和脂肪酸のDHAやEPA。血栓を防いだり、血中のLDLコレステロールを減らしたりする効果が期待できます。
現代では魚よりも肉を食べる機会が増えていますが、週の食事のうち数回は魚を取り入れてみましょう。
し:しいたけなどのきのこ類
しいたけやえのき、しめじなどのきのこ類は、食物繊維やビタミンを多く含む食材です。
乾燥きくらげや干ししいたけは生に比べてぐんと栄養価が高まるので、乾物も活用してみましょう。きのこ類は旨味のある食材なので、料理に加えると一段とおいしく仕上がりますよ。
い:いも類
じゃがいもやさつまいも、山芋などのいも類は、炭水化物を多く含むためエネルギー源となります。また、食物繊維も豊富なので、腸内環境を整えるのに役立ちます。
自然な甘みのさつまいもは、ダイエット中のおやつとしてもおすすめです。
「まごわやさしい」作り置きダイエットレシピ3選
まごわやさしいの食材を使った料理は、健康なからだ作りにはもちろん、ダイエット中の食事にも役立ちます。以下に、おすすめレシピを3つご紹介します。
お酒でコトコト「ぶりの酒塩煮」
難しいイメージのある煮魚ですが、酒で煮ると臭みもなくふっくらと仕上がります。料理酒ではなく、飲用の日本酒を使うのがおすすめです。
「や(野菜)」「さ(魚)」「し(きのこ類)」を摂取することができます。
■材料(2人分)
ぶり … 2切れ
酒(無塩のもの) … 100ml
水 … 100ml
塩 … 小さじ1/2
しょうが … 1片
長ねぎ … 1/2本
えのき … 50g
ゆずの皮(千切り) … お好みで
ゆずこしょう … お好みで