今東京で話題を集めているスポットが、早稲田大学にオープンした「国際文学館」!ここは通称「村上春樹ライブラリー」とよばれており、刊行された村上春樹氏の作品がすべて集まっています。それだけでなく、オーディオルームやギャラリーラウンジ、カフェなどもあり、いろんな角度から作品の世界観に浸ることができちゃうんです。みどころたっぷりな「村上春樹ライブラリー」の楽しみ方をご紹介!
パラレルワールドへの入り口?美しい木のアーチがお出迎え
東京メトロ・早稲田駅から徒歩7分の早稲田大学構内にある「村上春樹ライブラリー」こと「国際文学館」。既存の校舎を改修したという真っ白な建物には、まるで時空の歪みを表すかのようにダイナミックにうねるようなトンネルとひさしが。
こちらは村上氏が早稲田大学在学中に通っていたという、「坪内博士記念演劇博物館」(写真左奥の建物)の隣に位置しています。
建物のリノベーション設計を隈研吾氏が担当。ひさしにも、隈氏ならではの木が使用されているのがポイントです。入り口はまるでライブラリーへ誘うトンネルのよう。
建物内部にもトンネルのようなアーチが続き、地下へと階段で繋がっています。村上作品特有の、異世界に繋がる様子を表現しているそう♪
この素敵な空間は、早大生だけでなく、予約をすれば一般の人でも無料で利用できちゃうのです!現在予約枠は1日4部(12~13時は早大生優先枠)が設置されており、入館希望日の1カ月前から予約が可能なので、お目当ての日は早めにマークして。
村上作品や国内外の文学と出合う階段本棚&ギャラリーラウンジ
入り口すぐの「階段本棚」は、「村上春樹ライブラリー」を象徴する場所でもあります。企画によって内容は入れ替わりますが、開館当初は、向かって右が「村上作品とその結び目」、左が「現在から未来に繋ぎたい世界文学作品」。
「村上作品とその結び目」では、村上作品の1冊からテーマを設け、同じ世界観を感じられる本や、村上作品の理解が深まるような本が並んでいます。
また、「現在から未来に繋ぎたい世界文学作品」では、「あなたにとっての世界文学とは?」というテーマのもと、作家や映画監督などが選書を行ったというユニークな企画!
「階段本棚」では、階段に腰掛けたり、地下1階のラウンジで本の閲覧が可能です。階段や本棚に散りばめられた白い人形を探すのも楽しいですよ。
次は1階の「ギャラリーラウンジ」へ。木のぬくもりが感じられるこちらでは、デビューから最新作までの村上作品が並びます。ケース内に展示された書籍のほとんどはレアな初版版♪
入り口側から奥に進むにつれて作品の発行年代が進みます。世界のさまざまな言語に翻訳された作品は装丁が国によって異なり、その国の文化や空気感が感じ取れちゃいます。言語がわからなくとも、眺めているだけで楽しめるはず!
こちらはデビューの1979年から、2021年現在に至るまで、村上氏が手がけてきた作品の年譜一覧です。これほどまでの作品をリリースしているのか…!と、その量に驚かされますね。
「ギャラリーラウンジ」の奥には、村上作品ではおなじみの羊男のイラストが。机を囲んで3ショットが撮れちゃうという粋な仕掛けもあるのでチェックしてみて。
ファンにはたまらない!愛聴するレコードや書斎の再現も
学生時代にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を開いたほど、音楽への造詣が深い村上氏。作中でも音楽は重要な要素となっていますよね。ここは村上氏の自宅で鳴っているサウンドのエッセンスを伝えるオーディオシステムが設置された「オーディオルーム」。
よく見ると村上氏が学生時代に経営していたジャズ喫茶「ピーター・キャット」のマークが。
レコード・CDプレーヤーや、スピーカーなどの機種は、村上春樹氏のオーディオアドバイザーが設定・セッティング。
隈氏が都内のヴィンテージショップなどを巡って見つけてきたという北欧家具などのこだわりのファニチャーに腰掛けながら、本を読んだり、音楽を楽しむなど、思い思いに過ごせる場所です♪
そして、地下には村上氏の書斎を再現した「村上さんの書斎」も。家具は似たもの、オーディオシステムは本人の愛用品と同じ機種です。
レコードやえんぴつなど、作家の日常が想像できるようになっています。入室はできませんが、ガラス越しに執筆の空間を味わえるので、ファンにはたまりませんね!