消化器症状が出た場合
トマトアレルギーによる下痢や嘔吐など消化器系の症状が強く出ているときは、脱水症状に注意します。無理のない範囲で積極的に水分をとるように心がけましょう。
消化に時間がかかり胃腸への負担が大きい食材(食物繊維の多い根菜類や豆類など)は摂取を控えてください。
トマトアレルギーは花粉症の人がなりやすい
トマトのアレルゲンは、スギやヒノキ花粉のアレルゲンと構造が似ています。そのため、スギやヒノキの花粉症の人がトマトを食べると体が勘違いしてしまい、アレルギー反応(交差反応)が出ることがあります。
これを「花粉-食物アレルギー症候群」(PFAS)と呼びます。
スギやヒノキの花粉症の人が必ずトマトアレルギーになるわけではありませんが、反応するおそれがあるということを知っておくだけでも、いざというときに落ち着いて対処できるでしょう。
スギ・ヒノキ以外にも、花粉症の種類によってそれぞれ気を付けたい食材があります。以下を参考に、花粉症の種類と気をつけたい食材を把握しておきましょう。
トマトアレルギーの場合はトマトを避けるべきか
アレルギー症状がひどい場合はトマトの摂取を控えるのが賢明です。
しかし、アレルギーがあってもトマトを食べたいというときは、加熱調理すれば食べられるようになることもあります。トマトに含まれるアレルギーの原因物質は、熱を加えると変性するためです。
アレルゲンは、しっかり加熱することで変性します。トマトを軽く炒める程度ではなく、煮込むなどしてしっかり火を通してください。
トマト缶やトマトピューレ、ケチャップなど、製造の過程で加熱する食品も症状が出にくいと考えられています。
また、トマトに限らず、身心の調子が悪いときにアレルギーのもととなる原因物質を取り入れた場合、何らかの症状が出やすくなることがあります。その場合は、生活習慣を見直し、ストレスをあまり溜め込まないように心がけてください。
トマトを食べて起こるアレルギー症状は何科を受診する?
トマトを食べてアレルギー症状が出たときはアレルギーの専門医がいるアレルギー科を、子どもの場合は小児科を受診します。
口内のかゆみや蕁麻疹など皮膚や粘膜に症状があるときは皮膚科を、消化器症状があるときは内科を受診しても構いません。
トマトのアレルギーに注意しよう
生食や加熱してもおいしく食べられ、食卓に登場する機会の多いトマト。しかし、実はアレルギーの原因となることがあります。
トマトアレルギーは、日本人に多いスギやヒノキの花粉症の人が特に注意しておきたいアレルギーです。気になる症状があったらすみやかに医療機関に相談してくださいね。
取材・文/小原らいむ
【参考文献】
※1 『食物アレルギーは生活習慣病 家庭でできる予防と養生』合同出版,P.98|中川静紀ほか
(2022/01/18参照)