今週のみずがめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
近代の相克
今週のみずがめ座は、きめ細やかに休息を織り込んだ労働を心がけていくような星回り。
コロナ禍に突入する以前の世界の、忙しそうに働いていた会社員は、次々に書類に手を付けては片付け、電話に応対し、会議をこなしてゆく一方で、その間にタバコに火をつけ、スマホを開いたり同僚に軽口を叩いたりしていたはず。こうした精神健康を維持しようとする傾向は、近代化する以前の労働者たちにおいては、ある種の熟練技として昇華されていました。
翻って、現代人は休息も、迂回もほとんど取らないで、弾丸のように山を上り下りしようとする人が多かったり、見とがめられることを恐れるあまり、「ささやかな遊び」や「ひそやかな楽しみ」を労働に取り入れることが、いつまでも下手な人が少なくないように思います。
今週のあなたもまた、心身を破壊するような無茶な働き方や生活習慣から、いかに脱していけるかということに取り組んでみるといいでしょう。
今週のうお座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
まことを紡ぐ
今週のうお座は、密かに、情熱をこめて、自身の主観を結晶化させていこうとするような星回り。
『はりつけにあらず寝釈迦は寝給へり』(及川貞)という句のごとし。寝釈迦像を拝していて、かえってキリスト教の磔刑図を思い出し、掲句はそうした開祖の死の相を通して、両宗教の違いを対照的に示しているのだと言えます。
この「寝給えり」という言葉には、牧歌的な調べが流れているだけではなく、戦争に召集された我が子を南方の戦線で亡くした母親が抱く、鎮魂への切実な願いが込められていたはずです。すなわち、せめて死後には「寝釈迦」のように平穏な“仏”となって、苦しみから解放されてほしいという祈りが掲句の核心にあったのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、どこにぶつけていいか分からないやり場のない思いを、自分なりの仕方で祈りへと練り上げていきたいところです。
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