年を重ねるごとに体調が気になる女性は多いのではないでしょうか。30代以降はホルモンバランスの乱れからさまざまな不調があらわれやすくなります。女性ホルモンと上手に付き合うポイントは「自律神経」です。今回は、自律神経を整えるヨガポーズと生活習慣をヨガインストラクターの古城美季さんに伺いました。
自律神経と女性のからだ
頭痛がしたりお腹の調子が悪い、なんだかイライラするなど「何となく不調」をもたらす自律神経の乱れ。そんな健康のバロメーターともいえる自律神経は、女性のからだとも密接な関係にあるんです。
そもそも自律神経とは、呼吸や血流、内臓の働き、体温調節など、生命維持のために必要な機能をコントロールする神経系です。
活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経がうまくバランスをとることで健康な心身が保たれます。この自律神経のバランスが整わなくなるとからだや心の不調につながるのです。
さらに女性の心身の調子は、女性ホルモンに大きく影響を受けています。
女性ホルモンとは、卵巣から分泌される、エストロゲンとプロゲステロンの2つのホルモンです。女性ホルモンには、女性らしい丸みをおびたからだづくりや生理のコントロールなどの役割があります。
自律神経と女性ホルモン。この2つは女性の健康を支える重要な土台といえます。
自律神経と女性ホルモンの影響
女性ホルモンの分泌を司るのは脳の「視床下部」と「脳下垂体」ですが、視床下部は女性ホルモンだけでなく自律神経の働きを調整する役割も担います。そのため、自律神経と女性ホルモンは互いに影響し合うとされています。
仕事や家事や育児に忙しい女性は、普段からストレスにさらされ、自律神経も女性ホルモンも乱れがち。さらに女性ホルモンは加齢とともに減少し、美容面だけでなく、更年期など女性の心身に変化をもたらします。
女性ホルモンの分泌量低下は加齢のほか、自律神経の乱れも大きく関係します。
反対に、ホルモンバランスの乱れが自律神経のバランスにも影響を及ぼすとされています。
元気に健やかに過ごすためにも、自律神経の働きを整えることはとても重要です。
ホルモンバランスの乱れから起こる症状
ホルモンバランスが乱れると、心身には以下のようなさまざまな症状があらわれます。
・生理不順
・生理痛
・PMS(月経前症候群)
・不正出血
・不妊
・更年期障害
・自律神経の乱れ
・肌荒れ
・冷え、むくみ
・肩こり、頭痛
・疲労感、倦怠感
・気分の落ち込み、情緒不安定
このように、ホルモンバランスの乱れから起こる症状は、自律神経の乱れによる不調と非常に似ているのです。また、悪化すると自律神経失調症の原因につながります。
自律神経を整えるヨガもおすすめ!
自律神経やホルモンバランスを整えるにはヨガがおすすめです。
深い呼吸をしながらゆっくりとからだを動かすヨガは、簡単に無理なくできるセルフケアです。ここでは、自律神経の調整におすすめのヨガポーズを3つご紹介します。
1:背骨の柔軟性を高めるキャット&カウのポーズ
自律神経と関係の深い背骨にアプローチして柔軟性を高めるポーズです。背骨を構成する小さな24個の骨一つひとつを意識してゆっくりと動かしましょう。
ヨガの手順
1. 四つん這いになります。手幅は肩幅に、足は腰幅に開いて安定させましょう。
2. 息を吐きながら、おなかを覗き込むようにあごを引いて背中を丸めます。骨盤を後傾させて、おへその辺りを見てしっかりと息を吐き切ります。
3. 息を吸いながら、骨盤を前傾させて、今度はからだを上に反らせていきます。首がすくまないように肩は後ろに引いて、胸を開く意識を持ちましょう。
4. この動きを3~5セットを目安にくり返します。
2:寝たままできる片脚のワニのポーズ
寝転んだ姿勢のままできるツイストのポーズです。内臓機能の調整や腰痛の緩和、便秘解消の効果も期待できます。
ヨガの手順
1. 仰向けになります。両腕を肩の高さまで開き、手のひらを床につけて安定させます。
2. 右ひざを曲げて、ふくらはぎが床と平行の高さになるように右脚を浮かせます。
3. 息を吐きながら、右足を左側に倒します。このとき、右の肩が浮かないようにしっかりと胸を開いておきましょう。
4. この姿勢のまま、3~5呼吸キープします。反対側も同様に行いましょう。
3:副交感神経を刺激してリラックスを促すチャイルドポーズ
自律神経のバランス調整やストレス緩和におすすめのポーズです。脳や神経の疲労を和らげ、気持ちを落ち着かせてくれるリラクゼーション作用も期待できます。