全国各地の「可愛いお土産」を紹介し、大人気の連載【旅するデザイナーがおすすめするお土産たち!】。他ではなかなか見つからない通なセレクトは、デザイナーrumiさんが全国各地を実際に旅をして、その地域に根付く文化や作り手の背景まで掬い上げているからこそ。お土産への愛着が詰まったレポートとともに、FUDGE.jpで特に注目度の高かったお土産をランキング形式でご紹介いたします!
第10位:何が出てくる!?金沢の落雁 諸江屋「福徳煎餅」
金沢といえば老舗の銘菓が数多くある街。落雁 諸江屋は江戸時代末期の嘉永二年(1849年)に創業以来、約170年にわたり加賀名菓の伝統を今に伝え、昔ながらの製法にこだわり、お菓子作りを続けてきています。今回は年末年始の時期になると販売される期間数量限定の「福徳煎餅」をご紹介します。
おみくじのようなお正月の伝統縁起菓子
落雁 諸江屋の「福徳煎餅」は、金沢の伝統的なお正月の縁起菓子です。見るからに福がやってきそうな打ち出の小槌、俵、福袋をかたどった最中の皮のようなものでできています。大胆にバリバリと割ると、なんと中から七福神の形をした金華糖や、郷土玩具土人形がポロリと出てきました!なんて素朴で可愛いんでしょう!
中に入っている金華糖や土人形のモチーフは全部で30種類ほどあるそう。何が出てくるのかドキドキするこのおみくじのようなお菓子。毎年1月に家族や友人と食べれば盛り上がること間違いなし。金と銀をイメージして、黄と白の2色で仕上げられている最中の皮は、ぜんざいや、お澄まし汁に入れて食べるとちょうど良さそうです。明治以降、正月菓子として多くの金沢のお菓子屋さんが売り出しましたが、現在も作っているのは諸江屋のみだそう。みんなが笑顔になるお菓子は、長くこれからも多くの人に届けていっていただきたいと願うばかりです。
第9位:恵比寿「雄」の銘菓「苺みるく生洋羹」
「心に寄り添える料理」をテーマにした日本料理の名店が東京恵比寿にあります。その名も「雄」。ここの旬の食材を用いたお土産がとても衝撃の美味しさと聞き、早速お取り寄せをしてみました。時期によって食材は変わるとのことでしたが、今回お取り寄せしたのは、「苺みるく生洋羹」。みるくなのに羊羹?と、不思議に思いながら、届いた上品な木箱をそっと開けてみました。
恵比寿の日本料理の名店「雄」の数量限定お土産。
この宝石のような美しい赤!なんと木箱にみっちり真っ白な羊羹が詰まっています。完全手作りなので、1日20個限定。「雄」の羊羹は、小さなお子様からお年寄りまで、ご家族でどこか懐かしくほっこりと楽しむことができるように、という想いから作られたのだそう。
和」の羊羹と「洋」のゼリー・ムースなどの食感の良い所を活かして作っている為、洋+羹で「洋羹」と名付けられています。そのため、羊羹と言いつつ、実は小豆を一切使用せず、厳選した果物や牛乳などを小豆の代わりに用い、餡として吉野葛や寒天など時間をかけてしっかりと練りこんだ、新しい食感の和菓子となっているのです。
第8位:かわいくて食べられない!「ちもと」の鈴もなか「八里」
箱根にとてもかわいいお菓子があると聞き、箱根銘菓「ちもと」にやって来ました。「ちもと」は箱根にのれんを出して約70年。先代より受け継いだ製法をそのままに、変わることのない和菓子づくりをしています。さらに、作りたてにこだわっている「ちもと」の駅前通り店では、出来上がった和菓子をそのまま食べられるカフェも併設しています。他とは雰囲気の異なる洋風な建築が印象的です。
箱根街道を行く馬子たちの唄をヒントに生まれた、上品でかわいい鈴の最中
どうしてもお土産にしたかったのが、この鈴の形をした「八里」という最中!江戸時代、箱根街道で人や荷物を乗せた馬を引く仕事をする馬子(まご)たちが歌っていたのが「箱根馬子唄」。この唄の歌詞にもある箱根八里(東海道五十三次の宿場の一つ小田原宿から箱根峠を越えて三島宿まで約八里の道のり)の馬子たちの鈴をかたどり、こしあんの最中に仕上げているそう。
トロリとした舌触りの良い餡がとても上品で、ついついいくつも食べられてしまう美味しさ。紐から最中をするりと外して食べるのですが、なんだかもったいない気持ちに!もちろん大胆に紐を引っ張って最中皮を破ってパクッとしても◎
第7位:香川県丸亀のほっこりじんわり懐かし楽しい、寳月堂の「つぼしるこ」
何年も前にとっても気になるお汁粉をSNSで発見。その名も「つぼしるこ」。名前の通り、壺の形をしたとっても気になるお汁粉なのです。この「つぼしるこ」は、2017年に創業100年を迎えた、香川県丸亀市にある老舗和菓子屋「御菓子司 寳月堂」のもの。
一度食べたら忘れられない、じんわり懐かしい、不思議な不思議なお汁粉「つぼしるこ」
以前まだみんながマスクをしていない時代、丸亀駅前にある「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」を訪れたことがありました。その美術館のすぐ近くに、この「御菓子司 寳月堂」は本店を構えています。「つぼしるこ」は、丁寧な包紙で包まれておりました。
緑の包紙をあけると、最中の中には粉末状の小豆餡がずっしりと入っていました。そして、お椀の中に最中を入れて、沸騰したお湯を壺の穴の中へ、そ〜〜〜〜〜っと、注ぎ入れます。すると、、。ゆっくりゆっくり、ふにゃふにゃとしてきます。最中がふやけたら、粉末の小豆餡をよく混ぜて出来上がり。ふやけた最中がモチモチとした食感でお餅代わりとなり、最中の皮と中に入っているアラレの香ばしい香りが上品に広がり、こし餡の優しい甘味を引き立てます。まだまだ冷える夜や、ホッとしたい時、小腹が減った、という時にピッタリです。もちろん、丸亀のお土産にもオススメです。