今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
きれいになど終われない
今週のかに座は、たんに受動的で無抵抗な存在にはなるまいと、意を決していこうとするような星回り。
ジョルジョ・バタイユが創刊した雑誌『アセファル』の表紙を飾ったのは、頭のない裸体の人間像でした。
バタイユは、超人的でも否定的でもなく、並々ならぬアウラを帯びて、哄笑をものともせずに死の前の歓喜や恍惚という形式で芸術、愛、遊びを実践する存在として、ほんの一瞬のうちに垣間見ていたのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、激動の歴史を前にして自分がどこへ向かっていきたいのか、改めて再確認していくべし。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
舞台をととのえる
今週のしし座は、揺れ動く心理をできるだけ冷静に見届けていこうとするような星回り。
『復活を半ばは信ず蠛(まくなぎ)立ち』(平畑静塔)という句のごとし。
急いでくぐり抜けてきても、つきまとって離れない「まくなぎ」は、ここでは「半ばは信」じかけてきている思いとどまらせる、自己の最後の曇りの象徴とも言えますが、掲句の力点はむしろその「信じかけてきている心」の方にあるように思います。
今週のあなたもまた、自身の複雑に絡み合った心情をじっくりとひも解いていく時間を確保していきたいところ。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ままならぬこととの距離の調節
今週のおとめ座は、凝固した日常から自分を連れ出してくれるような、分身を作り出していこうとするような星回り。
踊り手や舞い手が顔につける「仮面」は、そこに神が訪れる媒体のようなものと考えられました。人は非日常へと誘いだされるために「仮面」を被っては、遠いものを近くに引き寄せたり、逆に近すぎるものから距離を取っている。
それは、歴史学者の網野善彦が言った「アジール(逃げ込み寺)」の1種であり、自分とそうでないもののあいだの領域を手の届く範囲に設けることで、人生において思い通りにならないモノやコトとの距離を調節しているのかも知れません。
今週のあなたもまた、異界的な非日常性を感じさせる「仮面」や「分身」に、否が応でも惹かれていきやすいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
被傷性を含んだ客観性
今週のてんびん座は、世界と自分とのあるべき結びつき方を再確認していくような星回り。
『籐椅子にあれば草木花鳥来(らい)』(高浜虚子)という句のごとし。
なんということはない、休日の一幕を詠んだものとも解釈できますが、よくよく考えてみると、そのような自然との一体感が得られる時空としての「籐椅子」とはどこか?という問いかけのようにも思えてきます。
今週のあなたもまた、自分なりの美学や世界観を取り戻せる時空としての「籐椅子」をどこに置いているのか、改めて確認していきたいところです。