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3児の母が感動…悩んでいた子どものかんしゃくが激減!神経科学の力で子育てをぐっと楽にする世界的ベストセラー本

子育て

ささいなことで激しく怒る、食わず嫌い、嘘をつく…。子どもの困った行動には、脳の働きが関係していた!?神経科学から子どもの気持ちを読み解く『6〜11歳 子どもの気持ちがわかる本』のブックレビューです。

3人育児に奮闘中のママライター、タキザワです。

わが家の長男も6歳になり、ずいぶんしっかりしてきたなと感じる一方で、時々ひどいかんしゃくを起こすことが気になっていました。ふだんはちゃんと話ができるのに、一度かんしゃくを起こすと筆者の話はまったく聞かず、泣きながら暴れる長男。筆者も始めは冷静に声をかけようとするのですが、結果的にいつもイライラが爆発して怒ってしまうという状況に頭を悩ませていました。

「一体何に対して怒っているんだろう」「どうしたら落ち着くんだろう」…。そんなことを考えていたときに出会ったのが、『6~11歳 子どもの気持ちがわかる本』(イザベル・フィリオザ著・かんき出版刊)です。

『6~11歳 子どもの気持ちがわかる本』

じつはとてもデリケートな6~11歳

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著者であるフランスの心理療法士、イザベル・フィリオザさんは2人の子どもの母親。彼女は本書で、6〜11歳の時期がフィリオザさん夫婦と子どもたちにとって、もっとも困難な時期だったと語っています。

6歳ごろというと、イヤイヤ期を乗り越え、落ち着いて会話ができるようになったなと感じる時期。きょうだいのいる家庭では、「お兄ちゃん・お姉ちゃんになってきたな」と頼もしく感じることも増えてくるのではないでしょうか。

しかし、じつはこの6〜11歳の子どもは精神分析理論によると、思春期前の「潜伏期」という非常にデリケートな時期にいるんだそう。感情を上手にコントロールできるようになってくる一方で、自立への欲求という精神的な成長と、学校での勉強や人間関係という社会的な問題などが、子どもたちにこれまでになかった戸惑いや不安を与え、混乱させるというのです。

ふだんは素直にママ・パパの話を聞く子どもが、突然言うことを聞かなくなったり、家族や周囲を困らせるような行動を始める背景にはそういった問題が隠されていたんですね。

しかしそんな理由があるとは知らない大人が、子どもを大声で叱ってしまうことは残念ながらよくあること。著者イザベルさん自身も子どもに怒鳴ったり、罰を与えたりしては罪悪感に苛まれていたそうです。

そこでイザベルさんがその迷いと混乱の時期から抜け出すために実行したのは、子どもの頭の中で何が起こっているのかを理解すること。困った行動をする子どもの中で何が起こっているのかがわかれば、その子にとって適切で効果的な態度がとれるからです。

本書ではイザベルさんが心理療法士として見つけた、子どもたちの行動や態度に隠されていたものが何か、また具体的な対処法がイラストとともにわかりやすく解説されています。

子どもの愛情のタンクを満タンにしよう

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時折ほんのささいなことで怒り出し、かんしゃくを起こす筆者の長男。ストレスがたまっているんだろうなと思いつつ、どうすればいいのかわからないまま悶々としていました。

本書によると、子どもがかんしゃくを起こす原因の1つは、やはり「ストレス」とのこと。子どもが攻撃的になったり、行動不能になったりするのは、脳がストレスを受けていることが表に現れたものなんですね…。

子どもがストレスを感じやすいのは、家庭内にいざこざがあったり、下の子が生まれたりして家の中の環境が変わったタイミングだそう。確かに長男も妹2人が生まれてから、異様に甘えたり、かんしゃくを起こすことが増えた気がします。

いつだったか長男がかんしゃくを起こしたとき、筆者が耐えきれず大きな声で怒ってしまったことがあります。そのとき、長男はびくっと一瞬体を震わせて硬直し、その後すぐに落ち着いて元に戻ったことがありました。

筆者は怒鳴ることはよくないと思いつつも、子どもが落ち着くのであれば、これも1つの方法なのかな…と軽く考えていたのですが、それはとんだ間違い!
怒鳴られたり、叩かれたりして子どものかんしゃくが止まるのは「落ち着いた」からではなく、危険な状況に体が動けなくなって、固まってしまっているのです。つまり原因であるストレスは消えていないため、また爆発を繰り返します。実際に長男のかんしゃくも続いていました…。

しかし、本書に書かれているあることを実行したら、長男のかんしゃくが目に見えて減ったんです!何をしたかというと、長男が怒り出したらとにかくぎゅっと抱きしめて、落ち着くまで一緒にいること。

やらなきゃいけないことがあっても、下の子どもたちが騒いでいても、このときだけは長男を優先してずっと抱きしめていました。本書によると、体の触れ合いは幸福ホルモン、または愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンの分泌を引き起こします。6〜11歳の子どもにはオキシトシンが必要不可欠!この愛情ホルモンで子どもの心のタンクを満タンにしてあげることで、ストレスをうまく管理できるようになるといいます。

大人の心の声も聞いて

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このように、本書は6〜11歳までの子どもたちの脳の中で何が起こっているのか、そしてそれに対してどう対処すべきなのかを具体的に教えてくれています。

しかし、この対処法を行うためには大前提が1つ。それは大人が自分のストレスを乗り越え、落ち着いて対処することです。子どもを落ち着かせようとしている大人が感情のコントロールができていなければ、何のお手本にもなりませんよね。

本書のすごいところは、子どもを叱っているとき、親の脳の中がどうなっているのか、また荒れている自分に対してどう対処すべきなのかも詳しく書かれているんです!親側について、ここまで詳しく書かれている本はなかなかないのではないでしょうか。

巻末には『親が知っておきたい10のこと』と題して、子ども、そして親の問題を解決するために有効な方法が簡潔に記載されています。とっさのときには、そこを読めばすぐに解決方法が確認できるのもありがたいですね!

世界的ベストセラーとなっている本書。読んでみて、筆者が見ていた子どもの姿と、実際に子どもが考えていることには大きな違いがあることを知りました。
子どもの行動に隠された本当の気持ちを知っていると、親としての自分の行動に自信が持てます。子どもの行動に手を焼き、子育てに不安を感じているママ・パパにぜひ手に取ってもらいたい1冊です!

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