「〇〇をやめたら楽になった」そんな経験、きっと誰しもあるはず。たとえば、土井善晴先生の提唱されている「一汁一菜」。ぼくもよく夕飯に取り入れますが、これひとつ取っても思い込みに支配されていることってあるものです。今日は、40代からの引き算思考についてです。
「夕飯は家族そろってみんなで『いただきます』するもの」
「一汁三菜が当たり前。メインのおかずに副菜がいくつかないと食べた気がしない」
「ごはんのおかわりはママがするもの」
これまでぼくたちは、色んな事や物を増やし続けて来ました。
品数も多いほうがいいし、掃除や洗濯だって丁寧にキチンとしてる人って素敵。
子どもの習い事だって、色々やらせてあげるほうがいいに決まってる。
そんな風に、多いことにこそ価値を感じていた。
でも、自分はひとりしかいないし、時間は1日24時間しかない。
脳内メモリをUPさせて、マルチタスクで何でもかんでもこなせるようになるか。
マルチタスクをやめて、大切なことに全集中するか。
40代からは、後者。
どんどん足していくよりも、上手に引き算ができるようになることを覚えていかないとなと思います。
上手く減らすコツ
ぼくはお片付けBootCamp!という、お片付けのためのオンラインコミュニティを運営しています。
そこでは100人ものメンバーが毎日片付けをがんばっています。
そのメンバーに最初に片付けについてお話をするのですが、片付けの方法は、そのまま人生の引き算を考えることにもつながると思っています。
お部屋の断捨離が上手な人って、部屋だけじゃなくて生き方もアクセクしてない人が多いんです。
その3つの鉄則を今日はお話します。
1. 無意識に増やしていることに自覚的になる
1つ目は、減らす方法じゃなくて「増やさない方法」です。
バケツの中の水を減らしたいのなら、バケツに穴を空ける前に、注がれる水を止めることです。
物もそうなのですが、意外と色んなことが「増えている」とあんまり自覚していないケースがあります。
5分で終わると思って引き受けた頼み事。「後で調べておくね」と安請け合いして後伸ばしにしたままの約束事。
何となくで始めた新しい勉強。丁寧な暮らしに憧れてはじめた、好きでもないぬか漬けや、SNSで「毎月本を10冊読む!」としてしまった宣言などなど。
こうした小さな小さなことが山のように集まって、どんどん自分を圧迫していってしまいます。
新しいことを何もはじめない、何も引き受けないようにしよう、と言いたいのではなくて。
大切なのは、これを引き受けることでどのくらい大変になるか、を見積もること。
とくに3つ目は大事で。結果だけにフォーカスを当てると、その結果が出るまでの道のりが辛くなってしまうこともあります。
「ちょっと大変だけど、やってる時間も楽しい」そう思えることなら、負担も楽しみに変えられるはずです。
そして、上記の1、2、3を見積もって「やらない、断る」をしていくことが引き算に繋がります。
2.自分なりの「軸」を一旦決めてみる
引き算をする、と言ってもガムシャラに減らせばいいってことでもないと思うんです。
足すにしろ、引くにしろ、判断の軸になるものがあったほうが、ぶれない決断がしやすい。
ぼくは娘が生まれて以来ずっと「仕事と子育ての両立」が中心にあります。
そのために、仕事は18時以降はしない、残業や出張が続きそうな仕事は引き受けない、夜は娘とおしゃべりする時間を設けるなど、「両立ができなくならない」を軸に色んなことを決めてきました。
オリジナルのかっこいいビジョンなんかじゃなくて。「両立」なんて風に、普通のことでもいいんです。
でも、この軸を意識して意思決定するかどうかはものすごく大切です。
それがなければ「夜遅くなるし、子どもと過ごす時間もなくなるけど、いい仕事だからやっちゃおう」「仕事なんだから、仕方がない」とブレブレになってしまいます。
もちろん「両立」は自分ひとりではできないので、妻と一緒にバランスを取りながらです。
他にも、娘が産まれたばかりのころは「親の心身の健康」を最優先にしていました。
一生変わらない軸を見つけよう、なんて意気込むとシンドイ。
軸は「見つける」ものではなく、「決める」ものです。
だから時期によって変わったり、違うなと思って改めたりしていくのです。いまの自分が大切にしたいこと、守りたいことをしっかりと持っておくのは、余計なものを省いていくのに役立つと思います。
3. 枝葉から間引いていく
大きなところ、たとえば「副業をやめる」「PTAを抜ける」などすれば時間もゆとりも大きく手に入るかもしれません。でも、引き算慣れしてないうちは小さな枝葉からはじめてみるのがいい。