今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
変わりゆく体感
今週のかに座は、ヤドカリが家を移していくようにみずからを作り変えていこうとするような星回り。
『音の奥より白々と夜の滝』(依田善朗)という句のごとし。もちろん、私たちは生来的にさまざまな感覚を重層的に経験していますし、それらのバランスのなかで感じ取る豊かさや幸福感は何ら特別なことではありません。
しかし、単一の感覚やそれに不随する視点に囚われて、結果的に視野狭窄(しやきょうさく)に陥ってしまうようなことは、現代では特に日常茶飯事なのではないでしょうか。
あなたもまた、固定化されていた身体性に遊びをもたらしていくことで、視点や視野をグッと開いていくことがテーマとなっていきそうです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
前向きな芸人たれ
今週のしし座は、「裸足で歩く」ような体験を取り戻していこうとするような星回り。
長年にわたり日本人や日本社会を見てきた写真家のエバレット・ブラウンがつくったダジャレに、「日本人はクツを履いて、退クツ、偏クツ、窮クツになった」というものがあります。
革靴なんかを履いてアスファルトの上を歩くときは、少しでも疲れたくないし、汗もかきたくないから、だんだん股関節を使わずに膝から下だけを前に投げ出すようなってくる。これを横から見ると、身体の軸が後ろ向きになっているんですが、いつの間にか身体だけでなく心の姿勢もまた“後ろ向き”になってしまう。
あなたもまた、“前向き”な心の姿勢をつくりだすべく、まずは自分の足元から見直していくべし。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
力湧きたつ
今週のおとめ座は、変わりゆく自然に身を添わせていこうとするような星回り。
『秋立(たつ)やあつたら口へ風の吹(ふく)』(小林一茶)という句のごとし。
自分自身への戒めの意味でつくった一句なのだと思いますが、できるだけ目の前の自然に即した自分となり、人為を環境とを一体化させていく。そのための試みこそ詩の本質であるという作者なりの詩論としても、掲句は受け止めていくことができるのではないでしょうか。
あなたもまた、涼やかな新風をわが身とわが心に通していくようなつもりで過ごしていくべし。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
まなざしの中に死者を宿す
今週のてんびん座は、人ははじめからキラキラしている星には驚けないのだということに、改めて気が付いていくような星回り。
砂漠の闇の深さのごとし。
ほんとうの闇というものを、現代社会ではもはや普通に体験することが困難になってしまいました。文明の便利さにいったん慣れてしまった者にとっては、これもまたやむを得ないことではある訳ですが、では闇の実感を持てなくなったことで、現代人はいったい何を失ってしまったのでしょうか。
あなたもまた、みずからの心の闇に目を凝らしていくなかで、闇のなかに隠れていた星のかすかな輝きを見つけていくことがテーマとなっていくでしょう。