今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
競争から降りるための闘い
今週のさそり座は、どこへ向かって何と闘っていくべきか、明らかにしていかんとする星回り。
『台風圏汽車のくろがねひた飛沫』(中島斌雄)という句のごとし。単に「汽車飛沫く」とするのではなく、「汽車のくろがねひた飛沫」ということによって、速度感や緊迫感が増すだけでなく、飛沫きの「白」が色彩的にもより効果的に際立ってくることが分かるはず。
おそらく、こうした「汽車」には、人間の世界をよりよいものにするよう、皆で協力していかんとする集合的な精神が重ねられていたのでしょう。
あなたもまた、時代精神と感応しあっていくことこそがテーマとなっていきそうです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
「誠」から「敬」へ
今週のいて座は、それにふさわしい条件をみずからクリアしていこうとするような星回り。
インディアンの首長のごとし。彼らはあくまで平時の権力であり、あくまでみなと一緒に暮らしながら、みなが抱える問題を解決していこうとする存在なのです。
彼らはシャーマンのように自然の原理に支えられることはない代わりに、文明の原理をみずからの拠り所とし、規則や良識にしたがって、集団的な混乱と緊張をいかに解決と平和へと近づけられるかを追求せねばならず、それこそが「政治」ということの根源なのだと言えます。
あなたもまた、誰か何かと戦うためにではなく、不和や争いを解消するためにこそ力をふるっていくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
祭り的な時空間
今週のやぎ座は、実際には見えるはずのないものが見えてしまうような星回り。
『籐椅子に深く座れば見ゆるもの』(星野高士)という句のごとし。「籐椅子」は藤の蔓で編んだ夏向きの椅子で、掲句ではそこに「深く座れば」おのずと見えるものがあるのだと言います。
ここでいう「籐椅子」とは、本来見えるはずのないものが見えてしまうだけの諸条件が整った特別な時空のことを指しているのかも知れません。
あなたもまた、死んだらどうなるんだろうといった、普段は考えることさえとうにやめてしまった周縁的なことがらについて、おのずと意識が向いていきやすいでしょう。