値上がり続ける電気代。少しでも節約になるように節電をしたいところです。All Aboutが調査した「みんながやっている節電」を紹介しながら、電気代節約のポイントを解説していきます。
この1年値上がりし続けている電気料金。ライフラインともいわれる電気を使わないわけにはいかず、皆さん節電、電気代節約のためにいろいろと工夫をしているのではないでしょうか。
今回はAll Aboutが調査した「みんながやっている節電」について、その節電は本当に正解なのかという疑問を解消していきながら、電気代節約となるポイントをアドバイスします。
「コンセントからプラグを抜く」――待機電力カットの節電効果は小さい
コンセントから電源プラグを抜くのは節電効果がある?
「どのように節電をしている?」という質問に対して一番多くの人が答えているのが待機電力のカットです。All Aboutのアンケートでも多くの方が、使っていない電化製品は「コンセントから電源プラグを抜いている」とお答えになっています。
待機電力とは、使っていない家電をコンセントをつなげたままにしているときの微量に消費する電力のこと。しかし、家庭の全消費電力のうち待機電力の占める割合は、「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」によると約5.1%。
つまり、家庭の中の全待機電力をあわせても5.1%のため、いくつかの家電の電源プラグを抜いても効果としては大きなものではないのです。もちろん節電になっていないわけではありません。しかし節電=電源プラグをコンセントから抜くという公式の印象があまりにも強いと、それ以上に効果がある節電に対して気が回らなくなり、電源プラグを抜いただけで満足してしまうという可能性も出てきます。
繰り返しになりますが、コンセントから電源プラグを抜くことは無駄なことではありません。しかし節電効果は大きくないということは覚えておいてください。
「電気をこまめに消す」――つける瞬間に電力を多く使用するが……
こまめに電気を消すのは効果ある?
照明器具は家庭の全消費電力の中で占める割合が大きいため、どのように使うかで節電効果も大きく違ってきます。
All Aboutのアンケート調査の中には「家族みんなで同じ部屋にいるようにしている」と答えている方がいらっしゃいました。家族4人が各部屋で電気をつけていれば単純計算で4倍になってしまうため、「家族が一つの部屋に集まる」というのは効果がある節電です。
「こまめに電気を消す」ことが節電になるのかならないのかについては、筆者も講演のときによく受ける質問です。All Aboutのアンケート調査の中には「電気をつける瞬間と消す瞬間に電気代がかかるため、何回もつけたり消したりしないようにしている」という方がいらっしゃいました。しかすまず、少なくとも消す瞬間に電気代が余計にかかるということはありません。問題はつける瞬間です。使っている照明器具や契約している電気料金の形態により多少の違いはありますが、たしかに電気をつける瞬間には、つけているときよりも多めの電力を使用します。
日本科学未来館の計算では「6.6秒以上、照明が不要ならば消したほうが節電ということになります」とのこと(参考「電気はこまめに消すべき?|日本科学未来館」)。6.6秒以上照明が不要なら消したほうがいいということは、不要ならば消すほうが節電になるといっていい数字でしょう。照明器具によっては点灯する回数で寿命が違ってきますが、これも含めて照明は不要なときは消すようにすることで節電になります。
「洗濯機のすすぎは1回」――消費電力の大きな家電は節電効果あり
洗濯機のような消費電力の大きい家電の使用時間を減らすことは節電効果あり
All Aboutのアンケート調査には「洗濯機のすすぎを1回」にしていると答えていらっしゃる方がいました。洗濯機は冷蔵庫やエアコンなどと比べて使っている時間は短いものですが、消費電力としては大きな家電になります。そのため使用時間を短くすることは節電につながるのです。
「すすぎ1回」というのは何も特別なことではありません。最近の液体洗濯洗剤をよく見ると「すすぎ1回」と明記されているものが多くなっています。ご自分が使われているものを一度確認してみてください。
「エアコンの温度設定を変える」――効果は大きいが注意も必要
エアコンの温度設定を変えることの節電効果は大きいが注意も必要
エアコンの温度設定を変えることは、確かに大きな節電になります。しかしとくに夏は熱中症になることは避けなければならないため注意が必要です。
温度に関してはリモコンの設定温度を見るのではなく、必ず温湿度計で実際のものを計るようにしましょう。同じ28度設定でも、日当たりのいい部屋と悪い部屋、エアコンの吹き出し口と人がいる場所の位置関係などで、実際に人間がいる場所の温度には違いがでてきます。
さまざまな方法がある節電。無理なく、また長続きできる方法を心がけたいですね。
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