キャンプ用品は防災グッズとして活用できる
家庭に備えておく防災グッズの中には、キャンプ用品と兼用できるものがいくつもあります。キャンプで使用する道具はコンパクトに収納でき、耐久性も高く設計されているので、災害時にも活用できます。
例えば、災害時に停電になると移動が困難になります。手元を照らすライトやその場に置けるLEDランタンがあれば、安全に明かりを灯すことができ、不安を解消する効果も期待できるでしょう。屋外であれば、ガスランタンでより強い光量の明かりが得られます。
ライフラインが断たれた場合、熱源の確保も重要となりますが、アウトドア用バーナーを使えば、お湯を沸かしたり、調理したりできます。小型の調理器具も非常時には重宝するでしょう。断水時には、ウォータージャグが活用できます。水をこぼさずに移動できる他、ゴミやホコリが入らないので、貴重な水を衛生的に保存するのに適しています。クーラーボックスは、冷蔵庫の氷を詰め込めば、停電時にも食料の貯蔵庫として利用でき、中の氷が溶けてしまったあとも、水の保管場所として役立つでしょう。
キャンプで使うテントやシェードは、プライベート空間を確保することに役立ちます。少しでも快適な空間で休息をとれれば、心身の健康を損なうことなく避難生活を送ることにつながるはずです。
アウトドア体験を防災につなげる寒川一さんの事例
アウトドアライフアドバイザーの寒川さんは、アウトドア活動を通して災害時にも役に立つ知識や実践法を教えています。昨今のアウトドアブームが防災につながる可能性を見いだしながらも、「『防災』というものがもし『モノを備える』というだけの意味だったら、僕はあまり意味がないと思っています」と語る寒川さんは、防災において本当に大切な心構えを教えてくれます。
いざという時の自助をサポートする防災備蓄サービスとは?
災害時の備えとして、非常食備蓄のサブスクリプションサービスを活用するのも一つの方法です。
株式会社LIFULLのCoReStock事業責任者を務める北原潤さんは、2019年に台風19号が関東に上陸した際、近所のスーパーマーケットから食料がなくなり子どもにしっかりとした食事を提供できなくなる怖さを感じたそうです。その出来事をきっかけに備蓄の重要性を強く意識するようになり「CoReStock」を立ち上げました。月々数百円の定額で、国が推奨する最低3日間分の食料・飲料などが家庭に届くサービスです。
このサービスによって「一人ひとりが安心できる状況になれば、思いやりのある行動をするようになり、本当に助けが必要な状況の人たちが支援を受けられる状態になる」と北原さんは語ります。
まとめ
日本は災害が発生しやすい環境にあり、今後も大きな災害が繰り返される可能性があります。家庭で災害に備える方法として、家具の配置の再点検、食料の備蓄、非常用持ち出しバックの準備、安否確認方法の決定、避難場所の確認が考えられます。その他の備えとして、災害時に役立つスマートフォンのアプリを把握しておくことや、キャンプの経験を通じて知識や技術を身に付けておくことも有効です。非常時にも過度に不安にならないように、いざという時に備えて準備をしておきましょう。
監修者:高荷智也
「備え・防災は日本のライフスタイル」をテーマに、大地震や感染症などの自然災害から、銃火器を使わないゾンビ対策まで解説をする防災の専門家。講演・執筆・メディア出演の他、防災YouTuberとしても多くの動画を配信中。
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