今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
秘められた交情
今週のかに座は、もう一人の自分と入れ替わり立ち替わりしていくような星回り。
『雄鹿の前吾(われ)もあらあらしき息す』(橋本多佳子)という句のごとし。「雄鹿」の荒々しさをわが身に引き寄せることで、おのれの中にある得体の知れない激しさを改めて発見したのではないでしょうか。
あるいは、作者は自分のなかの隠れた一面がせり上がってきつつあることにどこかで感づいていたからこそ、あえて雄鹿の前に自分を立たせてみたのかも知れません。
あなたもまた、そんなもう一人の自分との交情へと突き進んでいくことになるはず。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
時間泥棒とのせめぎ合い
今週のしし座は、あるべき関わりを然るべき習慣を通して、手繰り寄せていこうとするような星回り。
2004年の『パリス・レビュー』によれば、長編小説を書いているとき、村上春樹は午前4時に起き、5、6時間ぶっ通しで仕事をした後、午後は運動をして雑用を片づけ、本を読んで音楽をきき、9時には寝る。この日課を毎日変えることなく繰り返すのだそうです。
「繰り返すこと自体が重要になってくるんです。一種の催眠状態というか、自分に催眠術をかけて、より深い精神状態にもっていく」
あなたもまた、自分の毎日の習慣こそが人生の重要な選択に他ならないのだということを、改めて噛みしめていくべし。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
いかんともしがたい本音
今週のおとめ座は、心の奥底にある実感にドライブがかかっていくような星回り。
『働かぬ日は秋風の虜(とりこ)かな』(島谷征良)という句のごとし。さながら「愛の虜」になったかのように、作者はすすんで秋風に囚われている。
それは身に吹きつける涼風がよく染み入ってきたからこその実感なのだとは思いますが、そこには少なからず先のような本音が秘められています。作者は秋風と一種の共犯関係にあり、そのこと自体をどこかで楽しんでいるのかも知れません。
あなたもまた、みずからすすんで共犯関係に巻き込まれていく傾向が強まるでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
共にイキイキするために
今週のてんびん座は、ケア的な関わりをできるだけ放棄していこうとするような星回り。
オーストリアの批評家イヴァン・イリイチは、ある人から「エチオピアの貧困問題をどうすべきだと思うか」と問われ、「I don't care」と答えたそうです。
人間は本来、自らの生活空間を創り出す上で、モノを消費するのではなく、自力で自然と交渉することを大切にしてきましたが、ケア的な関わりはそうした人間の基本的なサバイバル能力を奪ってしまうのだと。
あなたもまた、心からの“安心”を作りだすために、自分がどんな原理を選択していくべきかという点に自覚的になっていくことがテーマとなっていくでしょう。