生理や子宮、ホルモンにまつわるさまざまな疑問に3人の産婦人科医がお答え。今回は、婦人科系の病気とトラブルについて掘り下げます。
私だけ!?の不安も解消
自分のカラダなのに、実は知らないことだらけ
生理、子宮、ホルモンにまつわる100問100答
婦人科系・病気とトラブルなんでも相談室
Q61 マキア世代に多い婦人科系の病気って?
A 子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、卵巣嚢腫など
「子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、卵巣嚢腫などが多いです。また、子宮頸がんも25〜40歳くらいに特に多いので気をつけましょう」(尾西先生)
Q62 子宮筋腫があると言われました。 どんな病気?
A 子宮にできる良性のこぶ。できる場所で症状が異なる
「子宮にできる良性のこぶで、筋肉内にできる筋層内筋腫、子宮外側にできる漿膜下筋腫、子宮内側にできる粘膜下筋腫があります。無症状のことも多いですが、どんどん大きくなったり、複数できたり、粘膜下筋腫は過多月経になりやすい傾向が。不妊を招くこともあるので注意」(駒形先生)
Q63 子宮筋腫の治療法って?
A 経過観察のことが多いが、生活に支障があるなら手術をすることも
「基本は経過観察。生活に支障が出るなら、ピルや偽閉経療法でエストロゲンの分泌を抑えて筋腫が大きくなるのを防いだり、手術で切除することも」(駒形先生)
Q64 子宮筋腫は防げる?
A 骨盤内の血流をよくして
「自分で意識して防ぐのはなかなか難しいですが、骨盤内の血流をよくするといいのでQ81の骨盤ストレッチは◎。また、東洋医学では子宮筋腫は自己犠牲的な性格だとなりやすいという説も。感情をため込まず、深呼吸を習慣にしてリラックスを」(駒形先生)
Q65 子宮内膜症ってどんな病気?
A 子宮内膜組織が、子宮の内側以外にできる病気
「子宮内膜組織が子宮以外で増え、毎月出血し、炎症を起こす病気。できる場所により、チョコレート嚢胞、子宮腺筋症、骨盤子宮内膜症のほか、肺や大腸などで子宮内膜が増える異所子宮内膜症などがあります。おもな症状は、強い生理痛や過多月経などです」(駒形先生)
Q66 子宮内膜症の治療法って?
A 鎮痛剤、ホルモン治療、手術など
「おもな症状は強い生理痛なので、まずは鎮痛剤を処方。効かない場合は低用量ピルや黄体ホルモン製剤で子宮内膜の増殖を抑えます。場合によっては、偽閉経療法や手術をすることもあります」(駒形先生)
Q67 子宮内膜症は防げる?
A “おまたカイロ”と、頑張りすぎないこと
「自分で意識して防ぐのはなかなか難しいですが、“おまたカイロ”で、血流をよくするのはおすすめです。また、東洋医学では子宮内膜症は、自分と他人を責めて、イライラしやすい性格の人がなりやすいという説も。頑張りすぎないようにし、イライラを上手く発散するようにしましょう」(駒形先生)
Q68 子宮頸がんの原因って?
A HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染
「基本的にHPVの感染が原因。HPVは性交渉で感染し、女性の8割が一生に1度は感染するとされ、感染しても免疫で退治できる場合もあります」(尾西先生)
Q69 子宮頸がんと異形成ってどう違う?
A 異形成は、がんの手前の状態
「異形成は、がんになる手前の、一部の細胞がウイルスに侵されて変形した状態のこと。この状態が長く続くと、がんが増殖し、がん化します」(尾西先生)
Q70 子宮頸がんは治せる?
A 早期に手術をすれば治る
「異形成や、がんの初期などの早期で発見でき、手術やレーザー治療で切除できれば完治しやすいです。ですから早期発見・早期治療が重要なのです」(尾西先生)
Q71 子宮がん検診はどれくらいのペースでやればいい?
A 年に1回が理想的
「年1回は検診を受けるのが理想的。1度受けてHPVに感染していなければ、2年に1回程でもOK。感染していたら、半年〜1年に1回は受けて」(尾西先生)
Q72 卵巣嚢腫ってどんな病気? 治せる?
A 卵巣にできる腫瘍。自然に治ることもあるが、5cm以上なら手術が推奨される
「卵巣に腫瘍ができる病気。卵巣にたまるものにより、チョコレート嚢胞、漿液性嚢胞、粘液性嚢胞、皮様嚢胞などの種類が。無症状のことが多く、自然に治ることも。5㎝以上になると手術が推奨されます」(駒形先生)