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[京都のパン屋さん]日本で一軒のみ、ハプスブルク家御用達ベーカリーのカフェ

旅行・おでかけ

中央ヨーロッパの国、オーストリアの王家「ハプスブルク家」御用達のベーカリーが日本で唯一、京都にあります。それが「Hofbäckerei Edegger-Tax(ホーフベッカライ エーデッガー・タックス)」。もともとは東京にありましたが、オーナーシェフとともに京都に移転。東京にはなかったテラスカフェもあり、素晴らしい時間を過ごすことができます。

オーストリアの伝統を京都で。ハプスブルク家御用達のパンを味わう

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オーストリア第2の都市、グラーツの旧市街の中心部にある 450 年の歴史を持つベーカリー「Hofbäckerei Edegger-Tax(ホーフベッカライ エーデッガー・タックス)」は、神聖ローマ帝国のドイツ王を祖とし、約700年もの間、君主国家を築いた「ハプスブルク家」にパンを納めていた御用達ベーカリー。店名に冠する「Hofbäckerei」は、王家御用達ベーカリーに与えられる称号です。

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ハプスブルク家といえば、その系譜に女帝マリア・テレジアやマリー・アントワネットなど、歴史上に名を残す人物を輩出した有名な皇族。そのハプスブルク家が認めた「エーデッガー・タックス」のパンを味わえるのは、日本では京都市左京区岡崎のこのお店だけです。

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ウィーンで修行を積んだオーナーシェフの野澤さんは、オーストリア大使から「ホーフベッカライの伝統を日本へ。」と大役を任されました。大使に引き合わされた8代目ロベルト・エーデッガー氏と同じ職人同士ということで意気投合し、直々に秘伝の技とレシピを伝授され、野澤さん個人に対してライセンス契約が結ばれたそうです。

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以前は東京に店舗がありましたが、惜しまれつつ閉店したのが2017年。3年の時を経て2020年、京都の文化ゾーン岡崎に路面店がオープンしました。東京店と違うのは、こちらではイートインを楽しめるカフェが併設されていること(席の予約は不可)。疏水の流れる、ゆったりとしたロケーションで優雅なひとときを楽しむことができます。

エーデッガー・タックスに来たらコレ!シェフ厳選のパン ベスト3

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さて、魅力的なパンたちの中でもオーナーシェフの野澤さんがベスト3に選んだパンがこちらの3種類。1つずつご紹介していきます。

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「ハンドカイザー(チーズ)」259円(8%税込)

看板アイテムは、皇帝の王冠をかたどった独特の形をした「カイザーゼンメル」。フランスでいうバゲット、日本でいうおにぎりのような存在で、オーストリアの日々の食卓に並ぶパンです。パン種を丸めてスタンプで押して切り込みを入れる手法もあるのですが、こちらは生地を伸ばして、手で折り込んで5角形を作り、噛んだ時の“歯切り”の感触を大事に焼成する「ハンドカイザー」。あえて日本人の舌にあわせたアレンジはせず、王家御用達の味を忠実に再現します。表面のチーズの香ばしさがよいアクセントに。

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「ブレッツェル」270円

サクッとおやつやおつまみにもぴったりの「ブレッツェル」。太い部分はもっちりと、曲線を描く細い部分はカリッと。この2つの食感の違いが楽しめるようになっています。粒の大きな岩塩を焼くときに乗せて、味にアクセントを加えます。

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「クロワッサン」346円(8%税込み)

そしておなじみのクロワッサン。一口味わった瞬間にその食感の軽やかさ、爽やかな風味に驚きます。たとえば、クロワッサンをシェアするときに、切りにくさを感じたことはないでしょうか? 「エーデッガー・タックス」のクロワッサンは、ザクザクと大きなカケラを落とすことなく、すぅっと包丁が通ります。その断面の美しさときたら…。「王家御用達の名を守るため、上品に作ることを重んじています」という野澤さんの言葉がよくわかる逸品です。

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「杏といちじくのジャム」1080円

ここでひとつ豆知識。クロワッサンといえばフランスのパンですが、その原型はオーストリアにあるそうです。名前は「キプフェル」。ドイツ語で三日月を意味します。この「キプフェル」がデニッシュと一緒にフランスに渡り、両方の製法が混ざって生まれたのがクロワッサンとのこと。エーデッガー・タックスでは、オーストリアで生まれたキプフェルも購入することができます。

カフェテラスでザッハトルテとカフェラテを

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さて、最初にお伝えしたとおり京都店にはカフェスペースもあります。マンションの1階の奥まった部分に扉があるので気づきにくいですが、小さなシャニガルテン(オーストリアのカフェテラスのこと)になるようにと、秋は野ボタン、春は枝垂れ桜など四季折々に日本や西洋の花が楽しめる植栽が施されています。

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「ザッハトルテ」702円、「 メランジェ(カフェラテ)」605円

水の流れこそ見えませんが、目の前には疏水があり、ゆったりとしたひとときが過ごせます。カフェでのおすすめはザッハトルテとメランジェ(カフェラテ)。

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「レシピはあってないようなもの」というほど繊細な作り方を要するザッハトルテ。温度や湿度を一定に保った調理室でも、外気の少しの変化で、微妙なコントロールが必要だそうです。そこはもう職人の勘に頼るところ。

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乳脂肪35%のあっさりした無糖のクリームを添えて出てきます。チョコレート菓子特有の重さを想像していたのですが、これがまるで違う。ハイブランドのカーディガンとファストファッションのそれを羽織ったときの違いくらいに軽やかさが違うのです。隠し味の杏ジャムの酸味もアクセントとして楽しく、幸せな気分になれます。

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