かわいらしい一口サイズのケーキが15個の升目に整然と並んだ「花コフレランチ」、蓋まですべてスイーツでできた鍋型のケーキ「むしやしなべ」など魅力的なお菓子が人気の京都のケーキ屋さん「むしやしない」。そのかわいらしい見た目にのみ目が行きがちですが、実はすべての商品に豆乳を使うこだわりが!豆乳パティシエールが生み出す、スイートなのにヘルシーなこの店ならではのお菓子に注目です。
京都一乗寺にある、話題のケーキ店「むしやしない」
京阪出町柳駅から叡電に乗り換え、路面電車にガタゴト揺られること3駅。京都のカルチャーゾーンとして愛される街、一乗寺に話題のケーキ屋さん「むしやしない」はあります。
「むしやしなべ 」1万4688円(7日前までに要予約)
ふたを開ければ、ぎっしり詰まったフルーツが現れる、サプライズにあふれたケーキ「むしやしなべ」を雑誌やテレビなどで目にしたことがある方もいらっしゃるのでは? これらのケーキを開発しているのが、オーナーパティシエールのうのゆきこさんです。
この場所でケーキ店を始めて16年間になるゆきこさん。もともとは「食べることは好きだけれども甘いものは苦手!」で、学校を卒業してからすぐに卓袱料理のお店で料理人として働きはじめました。そこの大将から「舌が良い」ことを見抜かれ、味覚の鋭さに料理人としての腕を見込まれたそう。
広々とした店内。入り口側はショーケースや焼き菓子が並ぶパティスリー、奥にカフェスペースあり
店内にテーブルは3つ、全12席。大きな窓から自然光が差し込む温かい雰囲気の店内
天気の良い日は、テラス席で
勉強熱心で、月に一度は気になるお店を訪ねてレポートを提出するなど自ら研鑽を積んでいたゆきこさんに転機が訪れたのは24歳のとき。ある企業が企画した「フランス2週間の料理留学の旅」の募集人数10名のうちの1人に選ばれ、フランスへ。
「ミラクル*ティラティス(ハート)」3500円
そこで人生を変える出会いが訪れます。それが、フレンチコースの最後に出てくる皿盛りデザートのアシェットデセール。最初は味よりも美しい表現に魅せられました。
箱の中に15の世界が広がる、満足度MAXの花コフレランチ
「むしや花こふれランチ おから茶付き」3240円(3日前までに要予約)
そこから、以前はまったく興味のなかったスイーツにばかり目が行くようになり、一口サイズのケーキ「プチフール」こそが自分が目指すものだと直感したそうです。「花こふれランチ」には、ゆきこさんがフランス研修時に初めて出会ったキラキラとした感動がキュッと詰まっています。15個の小さなお菓子とセイボリーのひとつひとつに豊かな味の表現、異なる印象を楽しむことができて、とても素敵!
お店でいただくコフレランチは、7種類のセイボリーと8種類のプチフールから構成されています。内容は定番のものと季節のものを組み合わせて、季節により少しずつ変わります。
この日のコフレランチには、いちごのムース、キッシュ、柚餅と黒豆の入った抹茶のムース、豆乳ブリュレ、さつまいも入りグリーンカレーのキッシュなど。キッシュにもお揚げのしぐれ煮を入れたり、一口サイズの豆乳パンにはフレッシュな野菜やカリカリに炒めたベーコンをサンドしていたり、果肉ソースで覆われたケーキの上には、焼き豆腐に見立てたレアチーズを乗せたりと細部にまでこだわりが散りばめられています。
セイボリーが入ったコフレランチは、イートイン限定ですが、プチフール(スイーツ)のみで構成されたコフレランチはお持ち帰りができます。こんな手土産を用意していけば、どんな相手でも笑顔にできそうな気がしませんか?
人気メニューの「むしやしなべ」をプチサイズで
「むしやしない」を一躍有名店にした「むしやしなべ」は、バースデーなどのお祝い用に作られたビックサイズです。「一人で食べたい、普段に食べたい」との声に答えて生まれたのが「ぷちやしなべ」。プチフールに比べれば大きく感じますが、驚くほど軽く、ぺろっといけます。
その秘密は大豆。「食べたいものを食べることは、人の幸せの源。それなのに、アレルギーや食事制限をしている人“おいしいもの”を自制している人、宗教上の理由で動物性の食材が食べられない人、そんな人たちにも“おいしいもの”を楽しんでほしい」そんな信念のもと、豆乳を使ったヘルシーでおいしいスイーツやアレルギーフリーのメニューを日々考案し、開発に取り組んでいるゆきこさん。手植えで大豆を育てるところからスタートし、いまでは自社農場まで持っています。