「半身浴」は意味がない!全身浴で「むくみ」解消
全身浴の方が体が温まり、血流が良くなるので、冷えの改善に効果的です。
また、お湯の量が多く深ければ、その分水圧が強くなることから、全身浴は下半身により大きい水圧がかかるため、足のむくみの解消などにも大きな効果があります。
肩こりなどの痛みにも、半身浴より全身浴のほうが効果的という研究結果もあります。
※心臓や肺に疾患がある方には、水圧がかからず体温が上がりすぎない半身浴が、オススメとなります。
「一番風呂」は肌によくない!
日本の水道水はミネラルが少なく薄い「軟水」のため、特に一番風呂はミネラル分が少なく薄いのです。
また、水道水には基準で決められた一定の塩素が含まれています。
他方、人間の体には細胞や血液といった体液中に、たんぱく質や様々なミネラル分などの成分が含まれています。
その割合は日本の水道水と比べるとずっと濃くなっているのです。
体の内側と、お風呂のお湯のミネラルの濃度の違いや、含まれる塩素が、皮膚にぴりぴり感や違和感といった刺激をもたらすと考えられています。
肌の弱い方、アトピーの方は塩素が刺激になりますので、入浴剤を入れることをお勧めします。入浴剤の他にも、レモン果汁(大さじ1杯)、うまみ調味料(小さじ1杯)をお風呂に入れることで代用可能です。
いかがでしたか?
中には入浴の常識と思っていたことが、実は体に負担をかけていた……という項目もあったかもしれません。
もう一度、入浴を見直して、安心安全にお風呂の効果を最大限楽しんでください!
【記事監修】
早坂信哉(はやさか しんや) 先生
東京都市大学人間科学部教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医。
お風呂を医学的に研究している第一人者。「世界一受けたい授業」「チコちゃんに叱られる!」など多数のメディアに出演。著書に『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)、『入浴検定公式テキスト』(日本入浴協会)、『最高の入浴法 ~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)など。