全国津々浦々に店舗を展開するスターバックス。その中に「リージョナル ランドマーク ストア」とよばれる店舗があるのをご存知でしょうか？地域の象徴となる場所に立地し、地域の文化を世界に発信する店舗の総称です。異国情緒溢れる神戸北野にある「スターバックス コーヒー 神戸北野異人館店」では、登録有形文化財に指定された外国人旧宅の趣ある部屋でコーヒーブレイクを楽しめます。
神戸・北野坂、木造2階建ての外国人旧宅で楽しむスターバックス
神戸市の繁華街、三宮の北側に位置する北野エリアは、神戸港が開港したのち、居留地外でも外国人が家を建て直すことを許された「雑居地」として国から指定されたエリア。外国人の旧宅が点在する異人館街があり、異国情緒あふれる神戸の街並みを楽しむことができます。
「スターバックス コーヒー 神戸北野異人館店」が入る建物も、最初の所有者は米国人。その後、何人か持ち主が変わりましたが、1995年の阪神・淡路大震災で被災し、解体されることになりました。しかし、その崩れた建物を譲り受けた神戸市が部材を大切に保管し、2001年、北野坂のこの地に移転、復原されました。
土台になる建物は明治40年に建築された木造2階建て。歴史上、芸術上、学術上価値の高い建物として、登録有形文化財に指定されています。
設計デザインのアイデアは、想像上の人物・少女「クララ」の暮らすお家
2階建ての神戸北野異人館店。1階で飲み物などを購入したら、イートインの場合、1階のラウンジまたは2階のお部屋に運んで思い思いの場所でくつろぎます。
まずは1階のラウンジをご紹介。暖炉を備えた温かみのある空間です。元々の建物でも使われていたような建具やフローリングが作り出す空間は、まるで当時のまま時間が止まっているかのよう。
そして、よりプライベート感があふれる2階へ。神戸北野異人館店は、この館に架空の人物のクララという少女が住んでいて、クララの家ならばと想像し、当時の担当者がデザインされているそうです。2階にあるお部屋は名前があり、「SUN PARLOR」「LIVING ROOM」「DINING」「GUEST ROOM」。それでは、入ってみましょう。
2階・SUN PARLOR（サンパーラー）
2階に上がると、廊下に沿っていくつかの部屋があります。ルームプレートをチェックしながらそれぞれのお部屋へ。
一番奥、廊下のつきあたりにあるのがSUN PARLOR（サンパーラー）。窓を背にして、座り心地のよさそうなひとり掛けの椅子が2脚。隣の窓にも同じ2脚がならんでいます。
窓からの明るい光が逆光になり、まるで海外の街角にあるカフェのようなフォトジェニックな写真が撮れます。
2階・LIVING ROOM（リビングルーム）
団欒のためのリビングルーム。想像してみてください。クララは本が大好きな女の子。アートな世界地図の飾られた広々とした部屋にはたくさんの洋書が平積みされています。空想の中で世界を旅しながら、コーヒータイムを楽しみましょう。
2階・GUEST ROOM（ゲストルーム）
おこもり感のあるゲストルームにはテーブルを挟んで1人掛けの椅子が2脚×3組。ヴィンテージ感あふれる椅子やアンティークの家具の重厚感、西洋古建築の特徴的なオーリエルの窓から差し込む光がやわらかい雰囲気も演出しています。
