2023年がスタートしました。いつもお世話になっているあの方や、 なかなか会えないあの方へ、新年の幸福を願って縁起のいいお菓子を贈ってみませんか。
美味しさだけではなく、見た目やシェアしたくなる焼菓子をご紹介するこの連載。第50回目は、開運堂から「白鳥の湖(缶入)」をご紹介します。
長野県松本市で長年愛される老舗「開運堂」
開運堂は長野県松本市に本店を構え、1884年に創業した老舗菓子店。「開運老松」や「真味糖」など全国的に有名な銘菓や、信州産の素材を使った和洋菓子を数多くそろえ、地元の人だけでなく観光客からも愛されています。
なかでも代表的な商品が、ソフトクッキーを缶に詰めた「白鳥の湖」。幾度となくメディアで紹介され、全国的にファンをもつオンラインショップで人気No.1の商品です。かくいう私も、流行に敏感な友人からの贈り物で「白鳥の湖」を数年前に知りました。それからというものの、福が舞い込んできそうな店名も掛け合わせて「ここぞ!」という時の贈り物に選んでいます。
白鳥の水彩画で優雅な気分になれるデザイン
多くの人の心を捉えているのは、抜群の愛らしさです。まずは、繊細なタッチで描かれた缶のデザイン。あづみのインター店の近くを流れる犀川の淀みは「白鳥湖」と呼ばれ、シベリアから渡ってきた白鳥たちが毎冬集まります。
その冬の風物詩を、安曇野に住んでいる画家の柳沢 健さんが美しい水彩画に。雪が降り積もった北アルプスの峰々を背景に、湖のほとりには優雅に泳ぐ白鳥……。眺めていると、心がすーっと軽くなり癒されます。
缶を開けると甘い香りがふんわり。丁寧に一枚ずつ包み紙にソフトクッキーが収められ、白鳥のイラストが可愛いシールでとめてあります。以前はセロテープでとめていたそうですが、お客様からの意見を元に改善されたそう。そんな細やかな仕掛けにもキュンとします。
おまじないを唱えると願いが叶う!?スペインの伝統菓子をアレンジ
包み紙から取り出すと、白鳥の型押しがされた乳白色のソフトクッキーに心ときめきます。ほお張ると簡単にほろっと崩れ、落雁に似た繊細な口当たり。シナモンのやさしい甘味と香りで満たされ、どこか懐かしいその味わいにほっこり心が和みます。
なんでも、スペインの修道院に古くから伝わる伝統菓子・ポルポローネから着想を得て開発したそう。口の中で溶けてなくなるまでの間に「ポルボロン!」と3回唱えられたら幸せが訪れるという言い伝えがあり、聞いたからには試してみたくなりますね。
実は開運堂ではポルポローネを長年製造していて、あづみのインター店の開店1周年を記念して白鳥が型押しされたデザインに1998年に変更したそう。そして、2019年に缶入りのパッケージにリニューアルをしました。ただ可愛いだけでなく、誠実なものづくりを真面目に続けてきたからこその人気を感じられます。
そんなエピソードを添え、相手の幸せを想って「白鳥の湖」を贈ってみてはいかがでしょうか。