今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
忘れたり、許したり
今週のさそり座は、一緒に道を歩くだけがパートナーシップではないのだと知っていくような星回り。
『別離の顔冬の落暉に向き背く』(西東三鬼)という句のごとし。夕日から背けた方の顔には、流した涙以上の真実が込められていたはず。
別離とは、そこで顔を背けてきた真実を「捨ててきた」のでは決してない。ただ「忘れてきた」のであり、忘れることもまた愛することだという気がするのである。
あなたもまた、忘れるという仕方で大事にしていくこともあるのだと、改めて思い直していくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
退屈な調子はもういい
今週のいて座は、今という時代だからこそ、そこに乗せていくことのできる感受性の“ありよう”を模索していこうとするような星回り。
1960年代から70年代初頭にかけて行われた全共闘運動について、哲学者の山折哲雄は、演説調の言葉がすべて五五調にのせられて発音されていたことから、「五七調とか七五調とかいうリズムを破壊するための運動だったのかもしれない。『歌の精神史』)」と書いています。
一方で、山折は1987年に俵万智の『サラダ記念日』が異例の大ヒットを記録したのは、「灰色の五五調の退屈さ」に飽き飽きしていたところに「われわれの意識下に眠らされていた五七調というリズムをあらためて気づかせ」「和歌の伝統的な生命リズムがそれを触媒にして快く刺激された」からではないかとも述べています。
あなたもまた、現に飽き飽きしている流行シーンとは対極のところに、改めて様式美を見出していくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
私の肉体は一つの聖堂である
今週のやぎ座は、復活の途上にある我を感じていくような星回り。
『耐へてゐる冬日を浴びて生きてゐて』(矢口晃)という句のごとし。
どことなく、人生とは「後ずさりしながら進んでいく」ものなのだというコリングウッドの言葉を思い出させる句だが、この場合、未来を背にしてじりじり進むという意味だけでなく、どこまでも追いすがってくる過去をなんとか蹴り離しながら、という意味合いも強く背負っているように感じさせるはず。
あなたもまた、過去を蹴り離すだけの強さしぶとさを発揮していくべし。