SNSでの繋がりや仕事上のメール等、デジタルコミュニケーションで戸惑ったことありませんか? オンライン上だと直接顔を合わせないので相手の表情がわからず困ったり、正解がひとつではないので悩むことも多いのでは。識者にオンラインでの人づきあいの悩みの解決法を教えてもらいました。
SNSとの上手な付き合いかた
「SNS疲れ」という言葉が一般化するなど、SNSにまつわる悩みを抱える人は多いよう。心理カウンセラーのみきいちたろうさんとITジャーナリストの鈴木朋子さんにSNSを気楽に楽しむためのマインドセット法や付き合いかたを教えてもらいました。
お疲れタイプ別“お悩み解決法”
一口に“SNS疲れ”といっても、人との比較、盛りたい願望、言い争いなどのトラブル、やめたいのにやめられない…などタイプはさまざま。ここでは、なかでも悩んでいる人が多いという悩みをピックアップ。疲れの主な原因と、現状と距離のとり方などの解決法を紹介します。これを読んで、気楽で楽しいSNSライフを取り戻そう!
他者と比較して疲れる
“みんなキラキラしていて自分がつまらなく感じる”“劣等感が刺激される”などが代表例。
鈴木さん 多くの人がSNSにハレの日のことを投稿します。
みきさん 人は誰しも、最新のスマホを買えても服は買えないなど、何かしらトレードオフをしているもの。それを忘れてこうだと思い込むと疲れの原因になります。
【解決法】一枚の写真がすべてだと惑わされないことが大事。
鈴木さん SNSは切り取られたもの、見せたい部分を見せるツールであることを改めて認識して。
みきさん SNSの中では並列でも現実の人生はそれぞれに違い比較できません。ドキュメンタリー作品で山あり谷ありの人生を見てみては。
自分を良く見せたいと思って疲れる
自分を良く見せたい気持ちが強く、反応を期待して無理をし、疲れるタイプ。
鈴木さん 認められると嬉しくなりますが、頑張りすぎは禁物です。
みきさん 投稿へのリアクションが自分の評価だと感じ、固執して躍起になるのでは。ただ、人は本来、多面的で複雑なもの。写真へのリアクションだけで人の本質は測れません。
【解決法】盛らないSNSで気楽さを取り戻す。
鈴木さん 最近、アメリカの若者の間では、盛ることがダサい、リアルへ回帰しようという新しいムーブメントが起こっています。現実を分かち合うことをテーマとした、加工なしの写真を投稿するSNS『BeReal.』などを活用して意識を変えて。
SNSをやめたいのにやめられなくて疲れる
疲れを理由にいったんSNSを離れようとするも、つい手に取ってしまうという人も多数。みきさん SNSに依存している状態といえます。
鈴木さん “新しい情報に乗り遅れたくない”“コミュニティにちゃんと参加している気持ちが欲しい”などと思っている人に見られがち。デジタルデトックスに失敗する人は多いです。
【解決法】SNSの優先度の見直し&アイコン削除で対策を
みきさん 生活におけるSNSの優先順位の見直しを。案外大したことないと気づける可能性が高いです。
鈴木さん アカウントを消すのは大変なので、ホーム画面のアイコンを消してアクセスしづらくしましょう。通知を切るのも有効。
鈴木朋子さん ITジャーナリスト、スマホ安全アドバイザー。SNSのトレンドや安全な使い方について執筆、講演を行う。メディア出演も多数。著書に『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など。
※ 『anan』2023年3月8日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・重信 綾(by anan編集部)
※ 2023年3月5日配信
人の言葉に振り回されないためのスルースキルの養いかた
誰かに言われたことが頭から離れずモヤモヤしたり、ショックを受けて傷ついてしまう人も多いのでは? そんな悩みを抱える人におすすめなのが、人の言葉を重く捉えすぎずにうまく付き合うスルースキル。心理カウンセラーのみきいちたろうさんにスルースキルを養いかたを教えてもらいました。
「○○すべき」「○○な人」など“他人の文脈”を洗い出して反論
みきさん まずは、“○○すべき”“あなたは○○な人”“すべての○○は××に違いない”など、頭の中で一般化して決めつけていることを洗い出しましょう。すると、その多くが“他人の文脈”で言われていることだと気づくはずです。次に、“○○すべきと言われているけど、この場合は仕方ない”など、洗い出した言葉に対して一つずつ反論を。すると他人の文脈を自分の文脈へと変えることができます。
“たかが1サンプルだ”と思って真に受けない
みきさん わずか1~2人の治験しかしていない薬の効能を信じて飲む人は、ほとんどいないはずです。言葉も同様で、もっともらしく聞こえたとしても、たかが1サンプルであり、確定されていない意見です。感情に流されるままに無責任に発せられたもの、強引に押し切ろうとして言ったことかもしれないなど、真に受けず落ち着いて判断を。
Beingに踏み込まれる内容は聞き入れない
みきさん ダメ出しのような言葉の中には、相手のことを思ってではなく、“あなたはダメだから言うことを聞け”という自分の思い通りにしたい気持ちから生まれたものが多くあります。行動=Doingではなく、人格や人間性に関わること=Beingに対して干渉してくる場合、“You are NOT OK.”ということを言われた時は、鵜呑みにしないよう注意が必要です。
「え、どういうこと?」と相手に聞き返す
みきさん 社会的な動物である人間は、公の礼儀や自他の区別を求められると、我に返るという特性があります。そのため、失礼なことを言っている人に公の雰囲気で迫ると、相手は怯み、困り、我に返ります。礼儀を求める態度をサッと示すことができると、次から言われないようにする防御策にもなります。
みきいちたろうさん 心理カウンセラー、公認心理師。トラウマ、愛着障害のケアを専門にカウンセリングを行う。著書に『発達性トラウマ 「生きづらさ」の正体』(ディスカヴァー携書)、『プロカウンセラーが教える 他人の言葉をスルーする技術』(フォレスト出版)。
※ 『anan』2023年3月8日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・重信 綾(by anan編集部)
※ 2023年3月5日配信