今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
来たるべき流動に向けて
今週のさそり座は、堅く安定した地面の下に横たわっているカオスに、みずから身を委ねていこうとするような星回り。
スペインの哲学者サバテールの『物語作家の技法』では、『海底二万マイル』などの昔懐かしいタイトルを挙げ、「下降の旅」という章のなかで次のように書いています。
「このような地理学上の倒錯行為は人に眩暈を覚えさせることにもなろう。にもかかわらず、われわれの足下に横たわるものは時代を問わずつねにわれわれの心を惹きつけてやまなかった。そこは死者の国である」
あなたもまた、かつて子供の頃に読んだ物語の手触りをほんのちょっとでも思い出してみるといいでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
空港にいる感じ
今週のいて座は、なにか異質なものの到来を待ち受けていくような星回り。
『数多なる岬・崎・鼻けぶる夏』(澤好摩)という句のごとし。
「岬・崎・鼻」は陸地の行き止まりなどではなく、今まさに他なる世界とつながらんとしてカミの発着を待っている“ターミナル・ステーション”のようなものであり、また、より現代的に言えば“端末装置”のようなものなのだとも言えます。
あなたもまた、以前と同じように存在しているように見えて、その実、もののやり方や方法をサッと変えていくことになっていきそうです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
世におのれを放つ
今週のやぎ座は、自分自身へのエールを生活に取り込んでいこうとするような星回り。
いつの時代も女性には女性特有のよさがあり、それは逆も然りな訳で、日本では古来より器量のよさや頭脳の出来とも異なる「福々しさ」という基準が大事にされてきましたし、江戸時代には「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」という言い方で美しさを称える言葉も生まれましたが、時代ごとにそうしたことも必要なことなのではないでしょうか。
たとえば、戦後の混迷期に生きた女性の生活実感を描いた作品のひとつに、詩人の永瀬清子の「窓から外を見ている女は」という詩があります。
あなたもまた、満ちては引いていく潮のように自分が「窓」を突き抜けてどこへかえっていこうとしているのかを、しかと見極めてみるといいでしょう。