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また値上げ!? 電気代が高騰しているこの夏を乗り切る方法

節約・マネー

働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、丸山晴美さん。

今回のお話「また値上げ!? 電気代が高騰しているこの夏を乗り切るには?」

6月1日から、大手電力7社の家庭向け電気料金が値上げされたと聞きました。この冬ですら電気代が上がって大変だったのに、さらに上がるなんて……。冬は着込めばなんとかなりましたが、夏はどうしたら良いでしょうか? 電気代を抑える方法を教えてください。(20代後半/医療系専門職)

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電気代が値上げしているのはなぜ?

現在の日本では火力発電がメインです。その火力発電のもととなる原油とLNG(液化天然ガス)の調達コストがさまざまな要因で値上がりし、発電コストが上がっていることが電気代値上げの主な原因です。

他の要因として、円安・輸送コストの値上がり・ロシアウクライナ情勢など、さまざまな背景があります。

電気代は使えば使うほど段階的に1kWhあたりの料金が上がりますが、多くの電力会社の料金は基本料金+3段階料金になっています。例えば東京電力の場合は基本料金をベースに、契約しているアンペア数によって値段が変わります。アンペア数が高いほど、料金も高くなります。

その上、使用した電量量に応じて3段階で1kWh(キロワットアワー)あたりの、電気料金が高くなります。さらに、再生可能エネルギー発電促進部課金と託送料金がかかってくる……という仕組みです。

とはいえ、今年の1〜9月利用分までの電気代には、政府からの補助が入っています。1kWh(キロワットアワー)あたり7円、都市ガスの場合は1m3(立方メートル)あたり30円の補助が入っているので、この間の電気代はお得になっているのです。

家電別・夏の節電テクニック!

では、無駄遣いせず、効果的に家電を活用して夏の暑さを乗り切るにはどうすればいいのでしょうか? エアコンや冷蔵庫、その他の家電も見ていきましょう。

エアコン

夏のエアコンの電気使用量は全体の約34%を占めています。節電するには、温度・湿度・窓の3つがポイントです。

暑いからといってエアコンの設定温度を下げると、その分、電気代が上がってしまいます。27〜28度に上げることで、約10%の節電効果があるといわれています。

それでも暑い場合は扇風機を併用しましょう。冷たい空気は床のほうにたまりやすいので、扇風機の風で循環させます。消費電力量が少ない、DCモーターを搭載した扇風機がおすすめです。帰宅したら、部屋の熱を逃すためにまずは換気をしましょう。

部屋にこもった熱を逃がしてからエアコンをつけると、冷えるのが早くなり、その分節電にも繋がります。また、設定温度を下げる前にエアコンの風量を「強」にすると、節電しながら涼しくすることができます。

また、湿度が高くなると体感温度も上がります。エアコンの冷房運転をすると同時に除湿されるので、夏場は「除湿モード」を使わずに冷房運転にしましょう。

さらに、窓に遮熱シートを貼ったり、遮熱・遮光性能の高いカーテンをかけたりして日陰を作ると、外からの熱が入りにくくなります。

冷蔵庫

冷蔵庫の電気使用量は全体の約17%です。冷蔵庫は側面から放熱をするため、陽の当たらない場所に、壁から少し隙間を開けて置きましょう。

また、暑いと冷蔵庫を開けたり閉めたりしがちですが、開閉回数や時間を減らすのも効果的です。部屋の中でも、保冷効果のある水筒を持ち歩くのがおすすめです。

冷蔵室の中はできるだけ隙間をつくり、逆に冷凍庫にはパンパンに入れるようにしましょう。冷蔵室がパンパンだと、すべての食材を冷やそうと余計なエネルギーを使ってしまいます。その反面、冷凍庫をパンパンにすると、食材などそれぞれが保冷剤のような役割をするため、開けたときに熱気が入って急激に庫内温度が上がるのを防いでくれます。

冷凍庫にパンパンになるまで入れるものが無いというお宅は、ペットボトルに8割ほどのお水を入れて冷凍しておくのがおすすめです。食材を守るだけでなく、暑くて寝苦しい夜にタオルに包んで枕元に置いておくだけで快適に眠れますし、災害時には保冷剤や飲料水にもなります。

その他の家電

照明は、季節を問わずLEDがおすすめです。使用していない部屋の電気はこまめに消すようにしましょう。

また、炊飯器の「保温」もつけっぱなしだともったいないので、お米をまとめて炊いて小分けにして冷凍し、すぐに消しましょう。

意外と見逃しがちなのが、トイレの便座。冬から「保温」のままになっている人も多いのではないでしょうか。夏場は電源を切りましょう。冷たいのが気になるなら、100円ショップで便座シートを購入すると、ワンシーズンで1,000円ほど節約できますよ。

また、一人暮らしであれば保温ポットやウォーターサーバーは必要ありません。電気ケトルだけで十分なので、無駄な買い物をしないようにしましょう。

電気会社の見直しは有効なのか?

電力会社によって、値上げする会社や据え置きの会社などさまざま。たとえば、九州電力・関西電力・中部電力は、6月の値上げはないと発表しています。

また、電力自由化によって新しく電気の小売事業を始めた「新電力」も、電気料金が安いところが多いです。

しかし、契約する前に「約款(やっかん)」を必ず読むようにしましょう。ペナルティや請求書発行などにかかるもろもろの手数料をチェックし、それでもお得だと判断できるなら、電気会社の見直しを検討するのは大いにアリです。

最近はガス料金とセットにすると安くなる電気会社もあるので、あわせて検討するといいでしょう。

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