事前にできる部屋の暑さ対策
部屋に熱がこもっているときの対処法を紹介してきましたが、事前にできる暑さ対策としてはどのような方法があるのでしょうか。以下では、効果的な方法を5つ紹介します。
遮熱カーテン
一般的なアルミフレーム(複層ガラス)の窓を設置している家では、室内に入ってくる熱のうち、実に74%が窓を通じたものとされます。窓から入ってくる日光や外部の熱気こそが、室温を上げる最大の要因と考えてよいでしょう。
そのため、日光や熱気をカットする遮熱カーテンは部屋の暑さ対策に効果的です。冬は反対に室内の熱を逃がしにくくでき、寒さ対策にもなって一石二鳥です。
出典:YKKAP 暑さや寒さをやわらげる “断熱窓”
サンシェード・すだれ
室温を上げる主因である窓からの日光を遮るには、窓の外側で遮光する日除けアイテムも有効です。具体的にはサンシェードやすだれ、すのこ、よしず、ルーバーなどが挙げられます。日除けアイテムは目隠しにもなるので、プライバシーを確保しながら換気したい場合におすすめです。
緑のカーテン
見た目も涼やかな緑のカーテン
近年、暑さ対策として取り入れられる例が増えてきたのが「緑のカーテン」です。ゴーヤやアサガオ、ヘチマといったツル性の植物で建物の窓や壁をおおい、強い夏の日差しを和らげます。戸建て住宅では庭に地植え、集合住宅ではベランダにプランターを置いて育てるのが一般的です。
緑のカーテンは日光を直接シャットアウトできるのに加え、植物の蒸散作用による気温低下作用も期待できます。上手に育てれば、森の中にいるような自然の涼しさを感じられるでしょう。
断熱窓
先ほども紹介したとおり、部屋に入ってくる熱の74%が窓を通じたものとされています。断熱窓に交換すれば、エアコンをそれほど使わなくても快適な室内環境を実現できます。
ガラス層の数が多いほど断熱性は高く、単板ガラスに比べ、複層ガラスやトリプルガラスのほうが高断熱です。フレームの素材によっても断熱性能は異なり、一般的なアルミ窓よりも樹脂窓のほうが、断熱性は高いとされています。
複層・トリプルガラス、樹脂サッシ、二重窓などの断熱窓はコストがかかるものの、冷暖房効率は大きく向上します。電気料金の高騰に終わりが見えないなか、長い目で見れば経済的といえるかもしれません。
また、国の「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」による補助金を活用すれば、断熱窓の導入コストを抑えられます。
断熱リフォーム
持ち家の戸建て住宅であれば、根本的な解決策として断熱リフォームを検討するのもよいでしょう。外気温の影響を受けるのは窓だけにとどまりません。外壁、床、屋根・天井など、外に面する部分はすべて熱の入口となるため、断熱性能を高めることで暑さ対策につながります。
断熱リフォームの内容としては、高断熱な窓への交換のほか、気密性の高い玄関ドアへの交換、床・壁・天井の断熱材の入れ替え・充填などが挙げられます。
断熱リフォームによって断熱性を高めれば、夏が涼しいだけでなく冬も暖かく、年中快適に過ごせるでしょう。冬は家全体を暖かく保てるので、部屋ごとの急激な気温差によって生じるヒートショックの予防効果も期待できます。
前章で触れた「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」では、高性能な断熱材や窓ガラス、玄関ドアへの交換を含むリフォーム工事も補助金の対象とされています。戸建てでは1戸あたり最大120万円の補助が受けられるので、活用を検討するとよいでしょう。
まとめ
夏になると、熱がこもった部屋にうんざりすることもあるでしょう。暑さ対策のためにエアコンを長時間使用すれば、高額な電気代にいっそううんざりする結果になりかねません。
今回紹介した、換気をはじめとする暑さ対策を実施すれば、エアコンの使用頻度を減らせて電気代の節約にもつながるでしょう。また、より根本的な対策を講じたいなら、補助金を活用して断熱リフォームを行うのも効果的です。