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頭痛診断|痛くなったらどうするのが正解? 頭痛の特徴からあなたのタイプをチェック!

ライフスタイル

マキア世代にも多いのが、頭痛の悩み。慢性的に頭痛を繰り返しているという人も少なくないのでは? 頭痛といっても、頭が重くなる頭痛もあれば、ズキズキする頭痛もあったりとタイプはさまざまで、それによって原因や対処法も異なります。そこで、頭痛外来を担当する脳神経外科医の石井翔先生に、自分の頭痛はどのタイプかを簡単にチェックできる頭痛診断を教えていただきました。タイプ別の治療法や対処法も教えていただいたので、頭痛持ちさんは早速チェックして、少しでも症状の予防・改善につなげて。

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頭痛診断で自分の頭痛のタイプを知ろう

教えていただいたのは…

だいだいクリニック 九段下頭痛外来
石井 翔院長

そもそも頭痛には、大きく分けるとどんなタイプがあるのかを石井先生に伺いました。
「脳の検査をしても異常がないけれど、慢性的に起こる頭痛を“一次性頭痛”と呼び、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などさまざまなタイプがあります。これに対して、何らかの病気があって起こる頭痛を“二次性頭痛”と呼びます。二次性頭痛で最も注意が必要なのは、脳腫瘍やくも膜下出血など脳疾患によるものです。この頭痛は命に関わる危険があり、重篤な後遺症を残すことも。ですから、病院では一次性か二次性かを見分けるために、まずは必ずMRIなどを行って診断をします。
突然激しい痛み(30秒以内など、いきなり起こる激しい痛み)や、今まで感じたことがない程激しい頭痛、少しずつ強くなってくる頭痛など、いつもと違う頭痛があったら、一刻も早く受診が必要です。特に、立っていられないほど激しい頭痛が突然起こった場合は、救急車を呼んでください」(石井先生、以下同)
今回は、一般的に多い慢性頭痛である一次性頭痛のタイプ別の見分け方や治療法・対処法などをご紹介します。

あなたの頭痛はどのタイプ?

各頭痛の特徴の中から、自分に当てはまるものがあなたの頭痛タイプです。中には、複数のタイプを併せ持っている人も。まずはチェックしてみましょう。

【片頭痛タイプ】
脈を打つようにズキズキするような痛み。吐き気や嘔吐などが伴うことも。

【緊張型頭痛タイプ】
頭が重く感じたり、頭をはちまきで締め付けられるような痛みが起きる。

【労作性頭痛タイプ】
ジムなどでトレーニングをしているときに突然起こる。

【後頭神経痛タイプ】
後頭部の耳の後ろの左右どちらかに、短くて鋭い痛みが走る。

【群発頭痛タイプ】
突然、片方の目の奥がえぐり取られるように激しく痛む。

【性交時頭痛タイプ】
オーガズムに達する直前や、性交渉の直後に頭痛が起こる。

片頭痛タイプ

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片頭痛の特徴

□ 頭痛以外に吐き気や眠気などがある
□ 30分〜1時間程かけてどんどん痛みが強くなっていく
□ 痛みが強くて横になりたくなる
□ 頭痛の前に、あくびが出る、キラキラ光るものが見える、首のあたりがゾワゾワする、目の奥が痛むなど、何らかの予感がある
□ 市販の痛み止めが効きにくい
□ 頭痛の前後で光や音、匂いなどに敏感になる
□ 温めるより冷やすほうが症状が落ち着く
□ 寝ると症状がスッキリすることが多い

片頭痛とは?

「生理がある年齢の女性に特に多い頭痛が片頭痛です。片頭痛は脈を打つようにズキズキするような痛みが特徴と言われていますが、必ずしもそれだけではありません。痛む場所も片側だったり、両側だったりいろいろで、身動きできないくらいの激しい痛みがあるのが特徴で、仕事を休まなければいけなくなる程痛みが強い場合もあります。吐き気や嘔吐・眠気を伴うことや、光や音、匂いに敏感になる場合もあります。痛みが始まった時にキラキラと何かが見える、首のあたりがゾワゾワするなど何らかの前兆があることも多いですが、何の前触れもなく起こることもあります。痛み始めてから痛みのピークまで30分〜1時間程かけてどんどん痛みが強くなっていくのが特徴で、これはほかの頭痛にはない特徴です。
片頭痛は、脳の血管が急激に拡張することで周囲の神経が刺激され、痛みにつながるとされています。片頭痛が起こるのはもともとの体質や遺伝のほか、女性ホルモンのエストロゲンも関係していると言われています。特にエストロゲンの分泌量が変化するときに片頭痛が起きやすく、生理の1〜3日目や、生理の前2日間、排卵時などに起こることが多いようです」

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片頭痛が起こったときの対処法

「片頭痛の代表的な治療薬はトリプタン製剤や新薬レイボーで、痛くなる前兆の段階で内服すると、血管の急激な拡張が抑えられ、痛みに至らずに済みます。一般的な鎮痛剤より効果的で頭痛以外の症状にも早く効くので、片頭痛持ちの人は病院で処方してもらって、常に携帯しておくとよいでしょう。ただし最近、片頭痛の治療法が大きく変わってきていて、片頭痛を起こしにくくするさまざまな内服薬に加え、2020年には、月1回の注射で片頭痛を予防できる薬が登場しました。これはエムガルティ、アジョビ、アイモビーグの3種類の薬です。『人生が変わった』という人もいる程の効果に加え、副作用もとても少ない画期的な薬です。ただ、保険の3割負担の場合でも月に¥12000かかり、費用は高めです。片頭痛は繰り返し起こすと慢性化しますし、認知症などの原因にもなるという説もあり、鎮痛剤やトリプタン・レイボーを頻繁に利用するより、予防薬を利用したほうが将来のためにより安全、というのが現在の考え方です。
片頭痛はセルフケアで治すことは難しく、頭痛外来を受診することを強くおすすめします。とりあえずの対処は頭を冷やし、部屋を暗くし少し寝るのがおすすめです。周囲の人の理解も欠かせません」

片頭痛の予防薬

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片頭痛の予防薬、上からエムガルティ、アジョビ、アイモビーグ。片頭痛の痛みの直接の原因とされているたんぱく質、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)をブロックして症状を予防。月1回の注射で1ヶ月間効果が持続。保険適用(3割負担の場合)で月¥12000程度。

緊張型頭痛タイプ

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緊張型頭痛の特徴

□ はちまきで締め付けられるような痛み
□ 頭痛のほかに、首や肩のこり、または首や肩、背中の痛みなどもある
□ 夕方から夜にかけて痛くなる
□ ストレスを感じたときに痛くなる
□ 痛いところをマッサージすると気持ちいい
□ 温めると痛みが緩和しやすい
□ 市販の鎮痛剤を飲むと治りやすい

緊張型頭痛とは?

「頭が重く感じたり、頭をはちまきで締め付けられるような痛みが起きるのが緊張型頭痛。姿勢やストレスなどによって筋肉に力が入り続けることで、血流障害が起こることが原因です。肩や首のこりをはじめ、首や肩、背中周辺まで痛みが生じることもあります。長時間パソコン作業をしたときや、仕事が多忙でイライラしているときなど、筋肉に力が入り続けたときに起きやすくなります。片頭痛のように痛み始めが明確でなく、気づいたら痛くなっているのが特徴で、疲れがたまってくる夕方〜夜にひどくなることが多いです。片頭痛のように痛みが強くて寝込んでしまうということはほとんどありませんが、つらい症状が続いてすっきりしないため、心身への負担が大きく、働く人の生活習慣病とも言えます。重症だと不眠症やうつ病の危険サイン。悪化する前に医師に相談しましょう」

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緊張型頭痛が起こったときの対処法

「鎮痛剤がよく効くので、痛みを感じたら早めに鎮痛剤を服用するのがおすすめですが、緊張型頭痛を防ぐには生活習慣の改善も欠かせません。血流をよくすることが大切なので、温めのお風呂にゆっくり入って体を温めたり、ストレッチやマッサージ、スクワットなどを取り入れて筋肉の緊張をほぐすのもよいでしょう。市販の頭痛薬で改善するならそれでも問題ありませんが、薬を頻繁に飲むと、それが原因で薬物乱用頭痛が起こることがあるので、できれば病院で鎮痛剤を処方してもらうことをおすすめします」

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