今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
衆生本来仏なり
今週のさそり座は、みずからの意図を超えたものに触れていこうとするような星回り。
『名月や夜は人住(すま)ぬ峰の茶屋』(与謝蕪村)という句のごとし。「お月様」という感覚は、哲学ではそれを「アプリオリ(先験)」と呼んで、いわば経験以前のもの、それなしにはあらゆる営みが成り立たないものを指している。
その意味で、「名月や」というのは私たちの本性、仏性としての月を見据えた措辞でもあり、本当は作者もここで読者に向けて「あなたの中にも名月が光っているんだよ」とそっと語りかけているのではないでしょうか。
あなたもまた、アタマで考えて自分の思いで世界を動かそうとするのでなく、なんだか分からないけれどそこにあるものを皮膚感覚で捉えていくことが、テーマとなっていきそうです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
足に運ばれるまで歩き続ける
今週のいて座は、創造性を発揮していくにあたって「体に運ばれる必要」を改めて痛感していくような星回り。
インタビューにおいて、村上春樹は長編小説を書いているとき、午前4時には起床し、5~6時間ぶっ通しで仕事をし、午後はランニングをするか水泳をするかして(両方ともすることもある)、雑用を片付け、本を読んで音楽をきき、夜9時には寝るのだと回答しています。
しかも「この日課を毎日、変えることなく繰り返す」のだ、と。いわく、「繰り返すこと自体が重要になってくるんです。一種の催眠状態というか、自分に催眠術をかけて、より深い精神状態にもっていく」。
あなたもまた、自身の生活習慣をもっとも優先すべき課題や関係性に応じて、よりふさわしいものに作り変えていきたいところです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ともに歩んでいる自覚
今週のやぎ座は、寄り添い、一体化していける存在のありがたみに心打たれていくような星回り。
『月天心貧しき町を通りけり』(与謝蕪村)という句のごとし。天心には「空の真ん中」という意味もありますが、ここではむしろ、あれやこれやと、心がもやついていない、そんな「まっさらな天の心」という意味で使われている。
それは「名月」という他人行儀な呼称とは、一線を画すものであるわけです。そうした「天の心」が、ここでは貧しい人たちの生き様に重ねられている。
あなたもまた、自分が肩の上に乗せてもらっている人たちの存在に、それとなく意識を向けてみるといいでしょう。