扶養は父親、手続きは母親
夫婦のうち年収が高いほうがこどもを扶養するのが原則のため、こどもは父親のほうの健康保険に入っている世帯が多いというのが現状です。一方、書類記入などの手続きを日常的に担っているのは母親であることのほうが多いというのもまた実態としてあります。
児童手当の場合、受給者は「児童のいる家庭の生計中心者」となっており、父母どちらか収入が高いほうが申請することが明確になっています。そのほかの公的な申請でも、親のどちらか一方を記入する場合は「世帯主」「主たる生計者」「扶養者」などと指示があるのが一般的です。
018サポートはなぜ、申請者の要件について事前に明確な説明をしていなかったのでしょうか。高井さんはこう説明します。
「018サポートは、18歳以下の『こども』に対する給付金です。対象者が18歳であれば本人が申請できます。18歳未満の場合は法定代理人が申請者となるため、親権者であれば申請できるものとなります」
「ただ、やはり公金である以上、親子関係をしっかりと公的な書類で確認してからでなければ支給できないのです。申請者が母親で、母親の名前が書類になかった場合、修正をお願いしています」
母親でも申請できるはずなのに、現状では母親が家族だと証明できる公的かつ手軽に準備できる書類が少ないという残念な事情も、今回の混乱の背景にはあったのでした。
都は、さまざまな意見を受けて改善できる点は改善し「今後もできるだけ負担のないように申請できるようにしていきたい」としています。
「018サポート」チラシより
Akiko Kobayashi / OTEMOTO
018サポートの申請(18歳未満)に必要な書類はこちら(11月17日時点のサイト情報より)
●本人確認書類(申請者)
・マイナンバーカード 1点
・その他の本人確認書類(運転免許証 / パスポート / 健康保険証 / 住民票などのうち2点)
●家族関係確認書類(申請者と対象者)いずれか1点
・健康保険被保険者証(申請者が対象者を扶養していることがわかるもの、対象者の住所が記載されているもの)
・対象者の住民票の写し(申請者と対象者について記載のあるもの)
・対象者の医療証(申請者と対象者について記載のあるもの、対象者の住所が記載されているもの)
●振込口座を確認できる書類