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「高くても環境にいいもの」を買う人は2割未満。物価高騰でも、ちょっとの手間でできること

手間は愛着につながる

環境のためとはいえお金はかけづらい。そんな消費者でも行動しやすいのは「ちょっとした手間をかけること」だと久我さんは話します。

例えば、使い捨てコンタクトレンズの利用者から、空のケースを回収してリサイクルしているメーカーがあります。消費者にとっては、アルミシールをはがしたケースを捨てずにとっておき、店舗を訪れたときに回収ボックスに入れるだけで、CO2削減に貢献できます。

この場合、コンタクトレンズ自体の価格は安くも高くもならないので家計への影響はゼロ。消費者はほとんど負担を感じずに「環境にいいことをしている」と満足感を得ることができます。

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コンタクトレンズの空きケースの回収は、自社以外のものも対象としているメーカーも。
※リサイクルの際にはアルミシールをはがす必要があります
Adobe Stock / olga

「環境問題への意識が年々高まり、ものを捨てることに罪悪感を感じる人も増える中、こうした企業発の取り組みに参加することは、罪悪感を減らし、満足感や自己肯定感を高めます。また、ちょっと手間をかけることにより、製品や企業に対する愛着が高まる効果も期待できます」

「サステナビリティに関する意識と行動にギャップがある現時点では、価格に影響を及ぼさない範囲で、消費者にちょっとした協力をお願いするかたちがちょうどいいのだろうと思います」

パッケージレスや補修サービス、リサイクルなど、購入前から使用後にいたるまでのさまざまな段階で、消費者にサステナビリティに関わる「手間」を求めるタイミングはあります。それは企業から消費者へのメッセージ、つまりブランディングになります。

「ちょっとした手間をかけてもらうことは、消費者のマインドに対しても、企業にとっても、プラスになると思います。企業が取り組みの機会を増やすことで、研修や教育の機会がない消費者にも伝われば、サステナビリティに関する取り組みは底上げされていくでしょう」。そう久我さんは語ります。

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