今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
満足したらそこでおしまい
今週のかに座は、未来へ向かう心の姿勢を整えていこうとするような星回り。
“高貴なるものの義務”を意味する「ノブレス・オブリージュ」という言葉のごとし。
お金持ちや高い地位についている訳ではなくても、自分なりに他者を喜ばせ、献身できるきっかけをつかんで「生きがいを感じているひとは他人に対してうらみやねたみを感じにくく」、そこには自然と「未来に向かう心の姿勢」が培われていく。そうした姿勢こそが、本来の意味での「ノーブル」ということであり、それは生きがいを感じつつ、使命感を持って自分の身を捧げることと切っても切り離せないのです。
あなたもまた、自分にとって生きがいとは何かということを、改めて掘り下げ直してみるといいでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
逃げるは勝ちだが道は遠い
今週のしし座は、自我のない世界への入口を探していこうとするような星回り。
『来る人に我は行く人慈善鍋』(高浜虚子)という句のごとし。
向こうから来る人びとの目に、こちらから行く人びとの姿が映っている。その中に、「我」もいるのだと。この句は互いに無関心な都会の雑踏の無意味さや虚しさを冷厳に描いたものとも取れますが、どちらかというとここでは群衆のなかに溶け込んでいくことで、頑なな「我」がほどかれていく心地よさを、さりげなく句にしているものと考えたい。
あなたもまた、そうしたある種の子宮回帰願望の強まりを感じていくことになりそうです。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
恒を知り、小を見るために
今週のおとめ座は、自分自身もメディアとして在るということを改めて意識させられていくような星回り。
かつてマクルーハンは、『メディア論』において西洋文明の3000年の歴史を振り返り、メディアというものを「熱いメディア」と「冷たいメディア」の2つに分けました。彼は「熱いメディアとは単一の感覚を「高精細度」で拡張するメディアのことである、一方で、テレビは「冷たいメディア」の代表で、ただ受け身的に情報を垂れ流すだけだとして述べています。
現代の各種SNSなどは、「熱いメディア」と見せかけた「冷たいメディア」と言えるのではないでしょうか。
あなたもまた、そうした他者への伝え方や向き合い方について、改めて問い直し、振り返ってみるといいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
はぐれ者としての流れ星
今週のてんびん座は、応じるべき声にこたえていこうとするような星回り。
『ひさしぶり星を見てゐる鯨かな』(五島高資)という句のごとし。起きたらまず顔を洗って、窓を開け、天気が良ければ太陽を拝む。ちょうどそんな感覚で掲句のくじらも夜空に煌々と照り輝く冬の星々を見ていたのでしょう。
そうなると、上五の「ひさしぶり」というのは、星を見つけたくじら自身の声であると同時に、そんなくじらの視線に気づいて見つめ返している星の声であり、そんな情景を想像している作者の声でもあるのかも知れません。
あなたもまた、ひさしぶりに空の方へと顔をあげてみるといいでしょう。