今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
地味でも目立たずとも
今週のさそり座は、しっかりと大地を踏みしめて力を蓄えていこうとするような星回り。
『突き放す水棹(みさお)や岩のすみれ草』(高浜年尾)という句のごとし。作者は長らく俳壇を率いた高浜虚子を父に持ち、父の手ほどきを受けて俳句に親しんだ作者は、同時に虚子一族で特に評価の高い妹の星野立子と何かと比較され、しばしば耳に入ってきたであろう「彼女と比べると下手だ」という言葉に幾度も苦しんだはず。
だからこそ、作者はごくさりげなく、そっと咲いていた「すみれ草」に自身に似たものを感じたのでしょう。
あなたもまた、きらびやかに売れる訳でも、器用に立ち回る訳でもなくても、自分なりの咲き方で咲いていく。そんなことを頭の隅に置いてみるといいでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
わが小なる活動
今週のいて座は、みずからの内に「偉大なるものの小」を見出していこうとするような星回り。
岡倉天心によって1906年に英語で発表された『茶の本』は、単なる趣味としての茶道の入門書としてではなく、日本に関する独自の文明論でありその象徴としての「茶」を西洋人に理解させるために書かれたものでした。
「おのれに存する偉大なるものの小を感ずることのできない人は、他人に存する小なるものの偉大を見逃しがちである」と言ってみせる箇所などは、彼の芸術観の根底にあるものが端的に表現されているのではないかと思います。
あなたもまた、何気ない「小」なるものをこそ大切に過ごしていきたいところです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
歩みの自然体
今週のみずがめ座は、幾つになっても初々しさを忘れずに過ごしていこうとするような星回り。
『歩みつつ歩幅を探す春の馬』(林亮)という句のごとし。こういう初々しい馬の姿は、他の季節にはまず見られない。
それもこれも春という季節がもつ明るさと、普段は颯爽と力強く駆け抜けていく馬がほんの一瞬見せてくれた弱さとが、「歩幅を探す」という措辞を通してパッと結びついたことで生まれた効果と言える。こういう春を、人はその一生を通じて何度迎えることができるのだろうか。
あなたもまた、再出発への一歩を踏み出していくべし。