今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
何に取り囲まれるべきか
今週のさそり座は、これまでいた‟世の中”から距離を置き、少しずつ離れていこうとするような星回り。
刺激が多すぎるのが当り前になった世の中に対して、アーティスト・作家のジェニー・オデルはFOMO(fear of missing out、取り残されることへの恐怖)の代わりに、NOMO(the necessity of missing out、取り残されることの必要性)について、それが難しければNOSMO(the necessity of sometimes missing out、時々でも取り残される必要性)について真剣に考えてみてはどうかと提案している。
というのも、ただ身体的に感じることのできる大地や空との直接的接触を通してのみ、私たちは周囲に無限に広がっている多次元的宇宙において自らの位置を確かめ、航海する術を学んでいくことができるからだ。
あなたもまた、自分の価値や尊厳を知らず知らずのうちに低下させているものの影響や戦略に、改めて自覚的になっていくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
偉大な跳躍を夢見て
今週のいて座は、社会や人間のつまらない狭隘さを精神の力で克服せんとしていくような星回り。
『永き日のにはとり柵を越えにけ』(芝不器男)という句のごとし。
作者は句歴4年、わずか26歳で夭逝してしまった人ですが、どこかでみずからの短命さをわかっていたのでしょう。そうであるがゆえに、ごく普通のなんでもない光景を捉えた句が、同時に絶対的な懐かしさを思い起させる「瞬間の中の永遠」たり得ているのだと思います。
あなたもまた、作者のようにみずからを有限性やせせこましさに閉じ込めんとする「柵」をのびやかに越えていくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
悪の効用
今週のみずがめ座は、自分自身を殺すかもしれないものでなく、「間違いなく殺す」ものをこそ手放していこうとするような星回り。
トルーマン・カポーティの小説『ティファニーで朝食を』には、象徴的に「猫」が登場します。飼い主は、小説家志望の主人公の青年「僕」の真下の部屋に住むホリー・ゴライトリー。
ホリーのイノセントな魅力に「僕」はたまらなく惹かれていく一方で、彼女を「度し難いまやかし」に生きる「あさましい自己顕示欲の権化」であり、まっとうに生きるためにも二度と口をきくまいとするのですが、こうした葛藤は誰の中にもあるはず。
あなたもまた、何を残し何を捨て去るべきかについて、よく思いを巡らせていくべし。