今週のみずがめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
さりげない変化こそ一大事
今週のみずがめ座は、この世界の空気感の微妙な変化を嗅ぎつけていこうとするような星回り。
『大利根にほどけそめたる春の雲』(安東次男)という句のごとし。いよいよ待ちに待った春を味わおうと戸外に出かけ、とりあえず近くの利根川をめざした。心なしか水面から反射されてくる日差しも柔らかくなった気もしたが、それよりも作者にとっては川の上の雲の動きの方に、より春らしさを感じたのだろう。
この句の眼目であるほどけつつ、穏やかな温かさと湿り気の中に溶け去っていく雲の見られるような、どこか艶めかしくエロティックな空気感こそが、真の春の主役なのかも知れない。
あなたもまた、表面的な出来事や浮き沈みに一喜一憂するのでなく、もっとそこにわが身を浸したくなるような空気感をどこでなら感じられるかということに集中していくべし。
今週のうお座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ここではないどこかへ
今週のうお座は、狂気に陥るきっかけと、ひょんなところで出会っていくor出会っていることに気づいていくような星回り。
サマセット・モームの小説『月と六ペンス』は、主人公である「私」がひょんなことから40過ぎの冴えない画家と出会うところから始まります。
一度触れてしまったら、もう後には戻れなくなる。そんな体験が人生には確かにある。そして、素晴らしい芸術というのは、そこに深く魅入られた天才たちの、他のすべてを犠牲にせんとするほどの努力によって初めて成り立つものなのではないでしょうか。
あなたもまた、自分がこれはと思ったことなら何でもあれ、そのために狂うことくらいなんでもないのだという、この著者や画家の腹の括り具合を見習っていきたいところです。
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