「保護者にすすめられて」6割
こども向けサイト「ニフティキッズ」を運営するニフティが2024年1〜2月、1661人の小中学生を対象に実施した習い事に関する調査によると、小学生の88%が習い事を「している」と回答。習い事を始めたきっかけは、「自分でやりたくて」が69%、「おうちの人にすすめられて」が60%でした。
出典:ニフティ「習い事に関するアンケート」
親の希望とこどもの気持ち
アンケートからは親がこどもに身に着けてほしいことを習わせている様子や、親が習ってほしいこととこどもが習いたいことが異なっている様子もうかがえました。
「ダンス、公文、水泳。水泳は泳げるようになったら、いつでも好きなタイミングでやめていいことを伝えています」(30代母親 / 2年生女子 / 東京都)
「こどもが男の子3人のため乱暴な子にならないよう、4歳からピアノを習わせています。妻がこれまで見てきた生徒でピアノを習っている男の子は、素直で優しい子が多かったとのことです」(30代父親 / 1年生男子 / 神奈川県)
「小学校の屋上で開催しているフラッグフットボールに通っています。本人が行きたいと言ったからです。水泳をすすめていますが、嫌だと言って聞いてくれません」(30代母親 / 2年生男子 / 東京都)
「4歳からピアノをさせています。1年生になったら水泳やダンスなど体を動かす習い事をさせたいと思っているが、いまいち、本人にやる気がないので無理にさせるわけにはいかないし…と悩んでいます」(40代母親 / 1年生女子 / 千葉県)
「これまでピアノ、塾、テニスをしてきた。3年生では体操、英語、そろばん、ダンス。短期講習での水泳やサマースクールでの英語もしている。先生の引退で辞めてしまったピアノを、もう一度させたい。進学塾、絵画、茶道、華道などの伝統文化を習わせたい」(40代母親 / 4年生女子 / 奈良県)
一方で、こどもがしたいことだけを習わせる、という声もありました。
「まだ自分のやりたいことが見つかっていないようなので、やらせていません。『どうしても、これがやりたい!』というものが見つかったらやらせようと思っています」(40代母親 / 1年生男女双子 / 東京都)
「オンラインのプログラミング講座だけは、したいと言ったのでさせている。学校以外の時間はこどものものなので、親が決めて行かせるのは違うと思う」(40代母親 / 2年生男子 / 長崎県)
親は一度だけ提案を
ベネッセの「小学生の習い事調査2024」によると、小学生が新たにしてみたい習い事のトップは、プログラミング(8%)。続いて、ダンス(7%)、動画制作(5%)、ピアノ・電子オルガン(5%)でした。保護者が新たにさせたい習い事のトップは「英会話などの語学」(10%)。続いて、「水泳」(7%)、プログラミング(5%)、学校の予習・復習(5%)でした。ここでも、親とこどもの希望はほとんど合致していません。
出典:ベネッセコーポレーション「小学生の習い事調査2024」
出典:ベネッセコーポレーション「小学生の習い事調査2024」
これまで5000件を超える子育ての相談を受けてきた医師・臨床心理士の田中茂樹さんはこう話します。
「こどもの選択を尊重しようと声をかけても、なかなか決められない子もいます。『どうしたい?』と何度も聞くのは『早く決めなさい』と命令するのと同じ。『本当にやる気ある?』と何度も聞くのも、親の意見を押し付けることになります」
「親が提案するのは1回だけでいいんです。例えば、『近所に◯◯教室があるよ』などと一度だけ提案してみてください。こどもはちゃんと覚えていて、興味を持ったら必ず相談してくるでしょう」