プロペラを彷彿とさせる種子
ショレアの木を眺めているとくるくると回転しながら真っ赤な種子が舞ってきました。南国らしい色合いと愛らしい姿は乙女心をくすぐります。
森の息吹に触れるうちに、この豊かな空間を次の世代へとつなぐためにできることを探りたくなります。
4.野生動物の聖域をリバークルーズ
ボルネオ島の東海岸エリアには、東西560kmに渡ってキナバタン川が流れています。その下流域であるスカウ村ではリバークルーズが楽しめ、国内外から観光客がやってきます。川沿いの森ではさまざまな植物と生きものが命を紡いでいます。
樹上でくつろぐカニクイザルを発見
まず出会えたはカニクイザルです。名前が表すように、カニを食べます。獲物がマングローブに棲んでいるため、川沿いで群れをなしています。そのため時間帯を問わず見かける確率が高いです。ちなみにカニだけではなく昆虫や魚と果実も口にします。
人間をじっと見つめるメスのテングザル
木の陰からそろりと顔を出す姿がなんとも言えないかわいらしさ。警戒心の強いテングザルはボートが過ぎ去るまで、目を離しません。水辺を好むため遭遇率は高いのですが、絶滅危惧種でもあります。
悠然と羽ばたくツノサイチョウ
大きな口ばしとその上に乗ったカブトのような膨らみが特徴のツノサイチョウはマレーシアの国鳥でもあります。その凛々しい姿はvol.4でお披露目いたします。
水面浮かぶ草の正体は
キナバタン川をクルーズしていると、たびたび目にする水草はホテイアオイです。大河に美しい花を咲かせ、見どころも提供してくれます。
でも、実は外来種なのです。繁殖力が強く水面を覆いボートの通行の妨げになることもしょっちゅう。さらにはプランクトンなどの光合成の抑制も危惧されています。
運が良ければ水浴びするボルネオゾウにも出会える!
30分くらいの川下りでも複数の野生動物を確認できました。姿はなくともいろんな鳴き声が聞こえ、あらゆる種が共生する様子がうかがえます。
ただ、残念ながら森林伐採によって野生動物の住処は奪われており、農地への転用が禁止されている川沿いに近づかざるえないという現実もあります。
スカウ村周辺の川沿いにあるロッジでは宿泊プランにリバークルーズが組み込まれているので、大河とジャングルが織りなす世界に触れてみましょう。ボートを降りた後は違った景色が見えてくるはずです。