瀬戸内海と日本海という2つの異なる海に囲まれ、山々が点在する自然豊かな山口県。アメリカのニューヨーク・タイムズ紙による「2024年に行きたい52カ所」の第3位に山口市が選出されたこともあり、今にわかに注目を集めています。そんな山口県の食の魅力に東京にいながら触れられるのが、日本橋にある「おいでませ山口館」。今回は、同店の人気商品を紹介します!
伝統食品から最新グルメまで!多彩なナインナップを展開/おいでませ山口館
日本橋駅からも東京駅からもほど近い場所にある「おいでませ山口館」は、平成14(2002)年にオープンした山口県のアンテナショップ。
お店を案内してくれたのは、平成31(2019)年から館長を務める市村重雄さん。山口県のご出身ではありませんが、高級スーパーでの勤務経験を生かし、さまざまなイベントなどを通して山口県の魅力を発信しています。
「山口県にはこれまで何度も足を運んでいます。県民ではないからこそ、従来とは異なる観点から山口県の魅力をたくさん発見できますし、深掘りできると思っています」(市村さん、以下同)
県民に劣らぬ山口県愛を持つ市村さんに、同館の人気商品を教えていただきました。
【7位】香り高い茶そばを、熱々で召し上がれ/瓦そば
7位にランクインしたのは、明治時代の合戦中に鉄板の代用品として瓦を活用したという歴史をヒントに生まれた「瓦そば」(2人前1,296円/瓦そば たかせ)。今では下関の郷土料理として親しまれています。
「山口県では居酒屋の〆料理としていただくのが定番になっています。とはいえ、瓦を用意するのは大変なので、ご家庭ではホットプレートを代用しています。錦糸卵や牛肉がのった瓦そばは見た目も華やかなので、おもてなしにも喜ばれること請け合いです」
【6位】全国区の人気を誇るソフトふりかけ/しそわかめ
やわらかく適度な歯ごたえのわかめを素材に、しそ、ごま、かつおだしで味付けした「ソフトふりかけ しそわかめ」(432円/井上商店)は、全国に根強いファンがいる大人気商品。ご飯にかけたり、おにぎりに混ぜ込んだり、ご飯のお供にピッタリの一品です。
「知名度が高いあまりに、『これ、山口県の名産品なの⁉︎』と驚かれるお客さんもいらっしゃいます(笑)。辛子明太子わかめ、夏みかんわかめなど関連商品も続々登場しているので、お店でチェックしてみてくださいね」
【5位】日本酒再ブームの火付け役となった一品/獺祭2割3分
海と山に囲まれた山口県は、酒どころとしても有名です。上質な水が豊富に生まれる岩国市で誕生した「獺祭」(720ml 6,380円/旭酒造)は、下火になりつつあった日本酒人気を復活させた立役者。中でも「2割3分」は、獺祭シリーズの中でも最高峰との呼び声が高い一品です。
「米を極限まで磨き上げることで、雑味がなく上品な味わいになります。日本酒に興味がなかった若者や女性からも『獺祭を知って日本酒が好きになった』という声が届いています」
【4位】気品に満ちあふれた女神のような美酒/東洋の女神
4位にランクインした「東洋の女神」(720ml 5,500円/澄川酒造)も県を代表する日本酒。平成28(2016)年に開催された伊勢志摩サミットでも振る舞われ、その名が日本のみならず世界にも知られるようになりました。
「切れ味がよく、それでいて華やかで上品な味わい。するすると飲めてしまうので、ついつい飲み過ぎてしまう魅惑の日本酒です。パッケージも美しいので、大切な方への贈り物にもオススメですよ」
【3位】漁獲、製造、販売を一環管理する老舗の銘品/スギハチのちりめん
数ある海産物の中から上位にランクインしたのが「スギハチのちりめん」(80g493円/椙八商店)。自社漁獲、自社加工にこだわる老舗のちりめんは、塩味、食感、魚のサイズのバランスが整った極上の一品です。
「手間暇を惜しまず、丁寧に作られたちりめんの味わいは、他商品と一線を画します。『このちりめんを知ってしまうとほかのちりめんでは物足りなさを感じてしまう』というヘビーユーザーもいらっしゃいます」
【2位】もっちりぷるぷるの食感の虜になる人続出!/外郎
2位は、県民にとってはおなじみ、県外の人にとっては意外な銘菓「外郎(白・黒・抹茶)」(各260円/御堀堂)。一般的に外郎は米粉を主原料としていますが、山口県の外郎は主原料にわらび粉を使用。ぷるんとした食感と滑らかさが特徴です。
「週に一度は『生外郎』も入荷されます。生は蒸す回数が少ない分、通常の外郎よりもやわらかくてもちもち食感が増します。午前中に売り切れることもあるので、見かけたらぜひ入手してみてください」
【1位】純白さと独特のもっちり食感が魅力の高級蒲鉾/白銀
数ある人気商品を抑え栄えある1位に輝いたのが、高級蒲鉾「白銀」(810円/杉本利兵衛本店)。県独自の“焼き抜き”という伝統製法で焼き上げられた同品は、雪のような輝く白さと、プリプリとした弾力のある食感で人々を魅了しているそう。
「私は神奈川県出身で『蒲鉾といえば小田原』と思っていましたが、白銀を食べた瞬間に心変わりしました(笑)。こんなに美味しい蒲鉾があるのか、と大きな衝撃を受けたんです。月に16,000本売れたこともある同館の看板商品です」
【番外編】「中の人」がオススメする厳選グルメ
「ほかにもオススメしたい商品がたくさんあります!」と市村さん。数ある商品の中から、2品を厳選していただきました。
1品目は“瀬戸内のハワイ”と称される周防大島の「手作りジャム」(950円~/瀬戸内ジャムズガーデン)。島で収穫された果物を使った高品質なジャムは、味もさることながらパッケージも◎。種類も豊富で、年間約180もの種類が販売されているのだそう。
「周防大島はハワイと姉妹島提携を結んでいます。のどかで穏やかな島で育まれた味わい深いジャムを召し上がっていただいて、ほんのひと息、安らぎの時間を過ごしてもらえたらうれしいです」
2品目にご紹介するのは、言わずと知れた下関市の名物「とらふく刺身」(1,620円/カネヒ)。唐津市場の仲卸業者さんが捌いたフグを急速冷凍し直送しているため、本場の味を堪能できるのだとか。
「山口県ではフグのことを“ふく”と呼び、縁起物としても重宝されています。おめでたい日や年末年始にプラスしていただくと、食卓がより一層ゴージャスになりますよ」