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昭和世代の「男たるもの」を覆した男性用スキンケア商品。ブランドマネジャーが語る5つの仕掛け

「どの香りがいいと思う?」

VARONは、3つの香りと無香性を用意しています。お勧めしたい人に手渡しすることを想定し、10日間の体験セットのボックスをつくりました。ボックスにはミニボトルのほか、3つの香りを試せるサンプルも入っています。

同じ商品で異なる香りを複数つくるのは在庫管理の観点では異例なのですが、あえて選べるようにしたのは、「どの香りがいいと思う?」と、身近な人とコミュニケーションできるからです。

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VARONの10日間体験セットは手土産としても活用されている
Akiko Kobayashi / OTEMOTO

当社の役員にVARONを使ってもらったときも、あえて女性の秘書から体験セットを渡してもらうようにしました。10日間の体験が終わる頃に私が役員のところに感想を聞きに行くと、役員は「こんなもの使わせて......」と恥ずかしそうにしているんですが、秘書が「そういえば肌艶が良くなりましたよ」「今の時代、男性がスキンケアするのは当たり前ですからね」などとフォローしてくれた途端、うれしそうな表情になるんですよね。

シニア世代の男性たちが、周りの後押しによって新しい価値観を自分ごととして獲得していく様子を見て、手応えを感じました。

管理職や役員層にとっては身だしなみを整えることはビジネスにも役立ちますから、「ゴルフ中の日焼けや乾燥をケアできる」「使ってみたら10日間で変わった」といった口コミの力は強いです。東京・銀座の高級クラブで体験セットを手土産にしていただいたり、ゴルフ場にサンプルを置いてもらったりしています。

ーー一部の男性だけの習慣ではなく、男性のスキンケアが当たり前になる日がくるのでしょうか。

特別な人だけに向けた商品ではなく、誰でも手に取りやすくなるよう、デザインや伝え方にはこだわっています。

VARON(ヴァロン)というネーミングは、スペイン語の男性(VARÓN)、英語の男爵(BARON)からとり、濁音があることもポイントです。高級感を意識しつつも、スタイリッシュになりすぎないよう、ロゴをやや大きめにしてアーチ型に配置するなど、古きよき時代の紳士のイメージをデザインしています。

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紳士が身だしなみを整えるバーバー(理容室)をイメージしたというロゴ
Akiko Kobayashi / OTEMOTO

VARONは2022年3月に発売し、2024年で出荷本数は累計70万本となりました。お客様には80代の方もおり、シニアに対するイメージを決めつけないようにしたいと改めて感じています。

年齢を重ねても生き生きとした肌艶や表情で過ごしたいし、性別に関わらず自分のためのケアをして、自己肯定感を高めたい。そんな思いを抱えているひとりひとりの人生を応援していきたいです。

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