デザイナーズマンションで一人暮らしをする、元インテリアデザイナーのyoshikaさん。1Kの居室をゆったりとリラックスできる雰囲気に整えていて「疲れた日にもここに帰ってくれば自然と回復できる」と語ります。居心地のよい空間をつくるために、心がけているという3つのポイントを詳しく教えていただきました。
帰ってくれば癒される。心地よさを重視するシンプリストの部屋
かつて4年ほどインテリアデザイナーとして働いた経験もあるyoshikaさんが現在暮らしているのは、デザイナーズマンションの30平米の1K。以前Sheageでもご紹介したように、大きな窓とコンクリート壁が印象的な居室に、ホワイトのリネン類と少しの木製家具を置き、スタイリッシュかつ温かみのある空間をつくっています。
yoshikaさんにとって心安らぐ部屋の条件は、清潔でシンプルであること。不要なものを持たずに掃除しやすい空間をキープし、インテリアは足し算よりも引き算を重視しています。
といっても、yoshikaさんはミニマリストではなく、シンプルな暮らしのなかで自分の心地よさを大切にするシンプリストです。部屋には目や手に触れてうれしく感じられるものや、よい香りのものなどをほどよく取り入れ、リラックスできるようにしています。
癒される部屋をつくるために、どんなことを心がけて空間を整えているのか伺ってみると、大きく3つのポイントを教えてくださいました。
1. 常に今の自分の「好き」を大切に暮らす
自分にとっての適量を理解し、ものを持ちすぎないようにしているyoshikaさん。大切にしているのが、素直に「好き」「心地よい」と感じられるものと暮らすことです。
「誰しもそうだと思いますが、隅々まで好きなものを置いて暮らしたいので、家具やインテリア、日用品、洋服も、できる限り妥協せず気に入ったものを選んでいます」(yoshikaさん、以下同)
居室にあるメッシュのラタンと無垢材のCONVENTO CHAIR(コヴェントチェア)や、オブジェのようなCUGINO(クッチーノ)のスツールなど、どれも吟味して手にしてきたものです。
実物を見て選び、できるかぎり価格で妥協はしない
なにかを購入するときは、オンラインではなく実物を実際に見に行くことが多いといいます。
「そのほうが手にしたときに満足感が高く、思い入れも増すと感じます」
また、素敵だと思ったものの価格が高かったからといって、似ている安いものを探すことはしないそう。
「似ていてもやはり別ものなので、次第に心のザワザワが大きくなって手放す、ということを何度か経験しました」
少し高価でも、最初から本当に好きなものを手にして長く大切に使うほうが無駄がないと考えています。
今の気持ちに合わなくなったものは、潔く変える
そのように丁寧に選んだものでも、しばらくすると「ちょっと違う」「部屋に合っていないかも」と感じるようになることも。そのときは執着せずに手放すか、可能な範囲で形を変え、今の気持ちに沿うようにしています。
例えば、現在のマンションに引っ越したときには「この部屋にはホワイトのインテリアが合いそうだ」と、以前の部屋で愛用していた木製のキャビネットを手放しました。すると圧迫感がなくなり、カーテンやリネン類の柔らかさと、コンクリート壁の無機質さのコントラストがより映えるように。
また、以前ベッドに違和感を抱いたときには「高さが理由かもしれない」と思い、脚を短くしてみると見事にスッキリ。理由を探り改善していく過程もおもしろいといいます。
「自分が今どういったものを良しとしているのか、ときに失敗しながら見つめ直し、受け入れて変化していく。家は自分自身を反映しているなぁと、よく思います」
2. 実用的なものだけではなく「空気」も大切に
部屋に置くものを厳選しているyoshikaさんですが、実用的なものだけに絞り込むわけではなく「部屋の空気感や雰囲気も大事にしたい」と語ります。
ただの灯りとしてではなく、「見え方」を楽しむ照明の設置
その気持ちがよく現れているのが、照明の取り入れ方。部屋をただ明るくするためではなく、部屋全体の眺めを大切に配置しているのです。
お気に入りのピーター・アイビーのペンダントライトは、居室の中心ではなく、奥の壁の前に。入口から見たときに最初に目に入るフォーカルポイントにあることで、ミニマルなアイテムも存在感が増します。ルイスポールセンのパンテラポータブルは、枕元やテーブルに移動させて使用。いずれも灯りをつけていないときにも造形美を楽しめるアイテムです。
1日家にいられる休日は、窓から差し込む日の光の移ろいを楽しみ、夕暮れに照明のスイッチをオンに。すべて点けても暗めですが、夜の時間を感じられるほの暗さに、心が鎮まるのを感じられるそう。