客室内に大きなキッチンがあるのも特長です。近隣にレストランもありましたが、せっかくなので夕食は近くのスーパーで食材を買って簡単に調理して食べました。
お部屋の奥には、外の光をたっぷりと取り込む大きな窓が。時間によって室内の雰囲気が変化していくのを楽しめます。朝の光の入り方はとても心地よく、明るい気持ちで一日をスタートさせることができました。
ベッドルームは2部屋あります。片方にはソファ、もう片方にはデスクが置かれていました。どちらの部屋にもクローゼットがあり、2組での宿泊でも快適に過ごせそうだなと思いました。
両室とも、柔らかい光が差し込んでいて、窓の方に目を向けると、和紙が貼られた引き戸が。羊毛を混ぜたオリジナルの越前和紙が使われているそうです。明るいけれど眩しくなく、心地よく目覚めることができました。
バスルームには、先にご紹介した「伊達冠石」を大胆に使った洗面台が。自然の恵みを感じられる、唯一無二の石目に見入ってしまいました。空間を引き立てる愛らしいフォルムのライトにも癒されます。浴室には、バルコニー同様オリジナルのタイルが敷かれていました。ユニットバスのパイオニア「SKUNA」のバスタブは、美しいだけでなく身体にフィットして心地良かったです。
部屋によって異なる色のカーペットが敷かれていることにも心惹かれます。部屋ごとに違った表情を見せてくれるので、本を読むタイミング、仕事のメールを返すタイミングなど、一区切りつく度に部屋を変えて、カーペットと過ごす時間を楽しみました。
客室に置かれているオブジェや照明、スピーカーなどにもこだわりを感じられます。良質なサウンドで音楽を聴きながら、オブジェや照明の灯りを視覚で満喫する。まさに五感で楽しむ滞在でした。
のどかな風景を眺めながらひと休みできるバルコニーも魅力。ぬくもりを感じる優しい色のタイルが敷かれています。真っ先に目に入ってくる石×アクリルのスツールは、事業の一つである「オリジナル工芸建材の開発・販売」第一弾の「TACTILE×ESSENCIAL STORE STOOL PROTOTYPE 1.0」。石が浮かんでいるようなデザインがユニークです。
工芸建材に触れながら、暮らすように泊まる体験を
はじめは洗練された空間にやや緊張感を覚えたものの、いつの間にかふかふかなカーペットの上でくつろいでいる自分がいました。カーペットの「居場所を限定しない」という魅力を体感することができたように思います。
調理器具やカトラリー、家電が完備されていること、そして何より一日一組というスタイルは、非日常的な空間でありながら、いつもの暮らしと近い状態で過ごすことができます。リラックスした状態なので自然と周りに目が行き、職人の腕が光る作品に囲まれた生活の心地よさを存分に味わうことができました。
指先一つで何でも知ることができる時代。あえて足を運び、画面を通して見るだけでは理解しきれない“工芸建材”の魅力に触れる体験をしてみませんか?
TACTILE HOUSE OSAKA
大阪府和泉市阪本町162