今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
しるしを見つける
今週のかに座は、自分の品性の中に「天」が備わっていることを思い出していこうとするような星回り。
エマソンは問う。なぜ私たちは「機械的な行為を繰り返し、ぜがひでも出しゃばって、自分の思いどおりにせずにはおかず、ついには社会の求める犠牲や美徳が厭わしくな」り、結果的に「惨めな干渉ばかり繰り返すおせっかい屋」になってしまうのか、と(『霊の法則』酒木雅之訳)。
エマソンいわく、それは「意志が自然より優位にある」という誤った思い込みのせいであるという。
あなたもまた、偽りの謙虚さを発揮して自分を過小評価するのでなく、自分を信じて「ただ従うだけ」に徹してみるといいでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
灯台下暗し
今週のしし座は、本来なら知りえない世界の証しや証言者との縁が浮上してくるような星回り。
『地の底で秋見とどけし子芋かな』(長谷川零余子)という句のごとし。
掲句の主人公は「子芋(こいも)」。おそらく作者が掘り出されたのであろうそれは、長く地中に潜み、親芋のかたわらで育ってきた、地表を見たことがない存在。そんな子芋が「地の底で」秋を「見とどけし」というのは、人間が想像しえぬ“もうひとつの秋”が地中にもあるのだ、という逆転的な視点を提示しています。
あなたもまた、掲句における「子芋」にあたる存在が何かとキーになっていきやすいでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
記憶を頼りに夢を見る
今週のおとめ座は、土地に埋まっている記憶をたよりに、集合的な夢の続きを見ていこうとするような星回り。
宗教学者の中沢新一がいうように、どんなに鉄道や自動車道や近代的な都市デザインが、古代の参道や聖地を分断し、その記憶を乱暴に書き消そうとも、実際にそこに住む人間が街への愛着を失わず、かつての夢を見続ける者が絶えなければ、代田橋のようにその後「沖縄タウン」ができて変身を遂げたように、何度でもよみがえっていくのかも知れません。
そんな風にそこに住む「夢を見る」人間の存在によって、生命線を保ち続けている町があるという厳然たる事実は、今のあなたにとっても確かな指針になってくれるはず。
あなたもまた、「夢を見る」人間のひとりとして、何かしら縁を感じる土地や場所の記憶にアクセスしてみるといいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
惑う人ほど奥行きが出る
今週のてんびん座は、自分なりの「穴」や「闇」に迷いながら帰っていこうとするような星回り。
『帰り行く闇を探して穴惑』(満田春日)という句のごとし。
私たちは時に対極にあたる「闇」や「穴」、すなわち、言葉を要さない関係や理屈や常識では説明できない体験がゆるされ、誰からも評価や判断を下されずにすむ世界が必要なのであり、むしろそこに帰っていくことが正気を保つ条件となっているのではないでしょうか。
あなたもまた、狂気を防ぐものは光ではなく闇への回路をきちんと開いていくことなのだという逆説をよくよく胸に刻んでいくべし。