今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
阿呆になる
今週のさそり座は、人間として今以上に自由な在り方を深めていくことができるのだと、ハッとさせられていくような星回り。
鎌倉時代に踊り念仏を広めた一遍上人は「捨てることを捨てよ」と説きましたが、ほぼ同時期のドイツに生きた神秘主義者マイスター・エックハルトもまた<内なる貧しさ>という言い方でそれに相通じる教えを説いていました。
いわく、積極的な意味での<貧しさ>には二種類あり、一つは<外なる貧しさ>、つまり物を所有することなく文字通り貧しく生きようとする生き方で、これ自体は外的要因も相まっていま大半の日本人が痛感させられているところでもある訳ですが、これはまだ十分な貧しさではないのだと言うのです。
あなたもまた、そうした不意の一致のなかで、自意識を忘れ、意志を捨てられる瞬間を一秒でも長く感じられるようにしていきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
呼びかけと応答
今週のいて座は、どこか懐かしさを感じる民話的世界にすっと入りこんでいくような星回り。
『橡の実のつぶて颪(おろし)や豊前坊』(杉田久女)という句のごとし。
少なくとも作者において、自然は単に美しかったりリフレッシュさせてくれるような「景色」や「田舎」などではなく、人間と神話的存在とが交錯するリアルな場に他ならない。そして「飛び交う橡の実」、「重量感のある風」、「豊前坊」が三位一体となることで、読者をそうした超自然的な民話世界へと引きずりこんでいるのです。
あなたもまた、痛みや実感を介して、より「なまなましい」世界線へ繋がっていけるかも知れません。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ぶん殴られてあったけえ
今週のやぎ座は、自分自身や人生を、全く触れたことも経験したこともない場所へとあえて置いていこうとするような星回り。
フランスのアルチュール・ランボー自身は、詩の使命や力についてどのように考えていたのでしょうか。知人であるポール・ドメニー宛の書簡(見者の手紙)のなかでこう書いています。
「詩人になろうと望む人間の探究すべきことの第一は、自己自身を認識すること、それも全面的に認識することです。自分の魂を探索し、綿密に検査し、誘惑し、学ぶことです。自分の魂を知ったら、すぐにそれを養い育てなければなりません。」
あなたもまた、そうした「詩人の務め」を果たしていくことがテーマとなっていくでしょう。