この作品は、「提案だ」とおっしゃってましたね。
鈴木さん: そうなんですよね。「手でつくる」だけが「ものづくり」ではなくて、アイデアやデザインを丁寧につくり込んだものがあってもいいと思うんですよね。この作品を見て、買う人や使う人に対しての想いや気遣いが、たとえば、ひと針ひと針縫うようなものづくりと、なんら変わらない考え方でつくられていることがわかりましたし、「こういったものを使う世の中はどうですか?」と提案している。これからは「形のないもの」が「売りもの」になっていくと考えています。BEAMS JAPANも、商品を売ってはいますが、モノにまつわる「コト」や「文化」を提供していきたい、という気持ちがあるんですよね。そういう価値観の変化みたいなものを、この作品はわかりやすく説明してくれるような気がしました。
追い風吹く、第一歩
そして、それがもうすぐこのお店に並ぶ、と。
鈴木さん: おもしろいですよね。パッと見て、ユニバーサルなデザインですけど、どこか日本的な文化や風合いをちゃんと感じますよね。奥ゆかしいと言うのか、アレルギーは体に関わる大切なことなのに、なかなか周りに気遣って言い出せないひとにも届けたい、という日本的な課題と日本的な解決方法だからかもしれません。本当に、「BEAMS JAPANで取り扱いたい商品」です。
この店舗に並ぶことで、たくさんの方に手にとっていただきたいですね。
甲斐さん: そうですね。夢のようにうれしい話ですが、「世の中のスタンダードになってほしい」という願いがあるので、これはゴールではなくて追い風ですね。それも、強烈な追い風です。この商品は、普及して浸透して意味をなすものなので、「若葉マークつけているから初心者なんだ」と同じぐらいの認知を得られるようにがんばりたいですね。小学校で支給されるぐらいになれば、うれしいです。
鈴木さん: いいですね、最高じゃないですか。
これからの展開がたのしみですね。
まずは第一歩。4月下旬、gravoさんの夢がひとつ叶います。
gravoさんの作品が、BEAMS JAPAN 新宿本店で発売されます。
「minneハンドメイドアワード2018」審査員特別賞を受賞された、gravoさんのALLERGY BADGE( アレルギーバッジ )がBEAMS JAPAN 新宿本店にて4月下旬より発売開始となります。ラインナップは、バッジ全7種類とキーリング全7種類です。ぜひお立ち寄りください。
取材・文 / 中前結花 撮影 / 真田英幸
(4,6,7,8枚目 撮影 / 中村紀世志)