こんにちは、キッズ・マネー・ステーション認定講師、ファイナンシャル・プランナーの岡本舞です。
こんにちは、キッズ・マネー・ステーション認定講師、ファイナンシャル・プランナーの岡本舞です。
遺族年金と聞くと、なんだか縁起の悪い話のように聞こえてしまいがちです。
誰もが「わが家にはまだ先の話よね」と思っているまさかの時は、いつ訪れるかは分かりません。
しかし遺族年金は誰しもが必ずもらえるものではないのです。
「もらえると思っていたのに(涙)」となる前に、わが家はどうなるのか確認してみましょう。
そもそも遺族年金とは
遺族年金とは、一家の大黒柱が亡くなってしまったときに残された遺族が受け取ることができる公的年金のことです。20歳以上60歳未満の全ての人が対象の遺族基礎年金と、会社員や公務員など厚生年金保険の加入者に上乗せされる遺族厚生年金の2種類があります。
亡くなられた方の年金の納付状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。
遺族年金は男女平等ではない
このご時世において耳を疑うかもしれませんが、この遺族年金には男女格差があります。
1986年の国民年金法改正までは「母子年金」と呼ばれ、夫を亡くした子どものいる妻のための年金という位置づけでした。
しかし時代と共に共働きが増えたため妻を亡くした夫も受給の対象になりましたが、妻に支給される遺族年金と夫に支給される遺族年金は平等ではありません。
トータルで見ると夫が受給できる遺族年金は、妻が受給できる年金よりはるかに少ない金額となっています。
※その他、詳細な受給条件あり
夫が亡くなった時の遺族年金
遺族基礎年金は、そもそも子どもがいないと支給されません。
子どもがいても子どもの年齢に制限があり、高校を卒業するまで(18歳になって最初の3月31日まで)に限り支給されます。
遺族基礎年金の金額は一律年78万100円+子の加算額で、子どもの人数によって加算されます。
例えば18歳未満の子どもが1人の家庭は年間約100万円、2人の家庭は約122万円です。
遺族厚生年金は子どもの有無や子どもの年齢による制限なく支給
遺族厚生年金は、子どもの有無や子どもの年齢による制限はなく、遺族基礎年金に上乗せされて一生涯受給できます。
亡くなった方が本来受け取る予定だった老齢厚生年金額の3/4です。なんと、厚生年金の加入期間が300ヶ月(25年)に満たずして亡くなってしまった場合でも、300ヶ月加入したとみなして計算してもらえます。
金額はねんきん定期便をみると簡単に計算できます。下の図でいうと『①これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額÷②加入月数×300か月(25年)×3/4』 で算出できます。
この図の場合だと『229,204(円)÷160(か月)×300(か月)×3/4』で年額約32万円が遺族厚生年金として遺族基礎年金に上乗せされます。
妻の年齢が30歳未満で子どもがいない場合は、遺族厚生年金は5年間のみ
ただし、妻の年齢が30歳未満で子どもがいない場合は5年間しか受給できません。年金額は亡くなった夫の年収を元に計算されます。
更に「中高齢寡婦加算」といって、子どもが大きくなり遺族基礎年金の受給対象外となってしまった場合に、それを補うために40歳から65歳になる前まで一時的にもらえる年金の加算制度もあります。高校を卒業してもまだまだ教育費がかかるのでありがたい制度ですよね。
画像引用:日本年金機構HPより