高齢者だけでなく若者も注意が必要?今回は、骨粗しょう症を予防するためのヨガについて教えます。
堀川ゆき
骨粗しょう症(こつそしょうしょう)とは
骨粗しょう症は、加齢とともに骨量が減って骨がスカスカの状態になって弱くなり、骨折しやすくなる病気です。そのため、ちょっと転んだり、尻もちをついたり、重いものを持ち上げたりしただけでも骨折してしまうことがあります。日本には約1300万人の患者さんがいて、女性の骨粗しょう症患者は男性の3倍というデータがあります。
骨粗しょう症の原因
骨粗しょう症の原因は、主に以下の8つです。
・加齢
・閉経
・過度のダイエット
・運動不足
・喫煙者
・過度の飲酒
・糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病
・骨粗しょう症の家族歴がある人
10代から20代の骨が成長する時期に、極端なダイエットや偏食をしていた方や、喫煙や飲酒も危険因子です。また、運動が大切ですが運動なら何でも良い訳ではなく、骨の強度を上げる運動とあまり効果が期待できない運動とがあるため、注意が必要です。
このように、実は骨粗しょう症は高齢者だけの病気ではなく、今まだ若いうちの自分自身の生活習慣が原因となる可能性がとても大きいのです。そのために、若い頃から対策をしていく必要があります。
「運動」が骨の強化に重要
伊奈病院整形外科部長の石橋英明先生によると、骨粗しょう症の対策は、骨密度を増やして骨を丈夫にすることと、骨折の原因となってしまう「転倒」をしない身体作りがとても大切です。
治療法には、「運動」「食事の改善」「薬」の3つがあります。
今回は特にその中の「運動」に注目して、骨粗しょう症の予防や治療に効果的なヨガのポーズを紹介していきます。ただとにかくヨガをやれば効果があるとは言い切れず、ヨガの中でもどのヨガポーズをどのように行うかによって、骨粗しょう症の予防・治療効果が違ってくるので、ぜひこちらの4つのポイントを参考にしてみてください。
ヨガで骨を強化「ジャンプ」
骨を強化するために効果的な運動は、衝撃や負荷の大きい運動です。最も良いのが「ジャンプ」です。ジョギングやジャンプといった、骨の縦方向に圧がかかることが骨には効果的です。しかし、ヨガには走ったりジャンプしたりという動きがないという点が、骨粗しょう症対策においてはヨガの欠点だと私は考えています。
そこで、ヨガの中で積極的にジャンプの動きを取り入れてみましょう。閉経前の女性では、1日50回のジャンプで骨密度が上がったという報告があります。骨には、運動などの負荷をかけると強くなり、逆に負荷をかけないと弱くなるという性質があります。そして、運動によって骨密度が増加することが分かっており、また運動すること自体に転倒予防の効果があるため、骨折の予防に運動は重要です。
ただし、高齢者や膝や腰に不安のある方は、ジャンプを行うと痛める可能性があるので注意して行いましょう。
ジャンプバックとジャンプイン
ジャンプバックは、立位前屈のウッタナーサナからプランクポーズに移る時に、ジャンプインは、ダウンドッグからウッタナーサナに戻る時です。
ジャンプに慣れていない場合は、写真のように2回または3回に分けて、小刻みに前または後ろにジャンプしてみましょう。小刻みに飛ぶことも力のコントロールが必要なので、意外とチャレンジになります。
ジャンプバック
プランクポーズ
ジャンプイン
ウッタナーサナに戻る