一人暮らしの家計において、月々の食費は節約の対象となりがちです。
一般的には、外食よりも自炊のほうが節約できると思われていますが、一人暮らしの場合にもあてはまるのでしょうか。
ここでは、一人暮らしの食費の節約テクニックについて紹介していきます。
一人暮らしの月々の食費はだいたいどれくらい?
まずは、一人暮らしにおける月々の食費の平均を見ていこう。2017年の全国の単身者世帯の消費支出データによると、食費にかかる月平均額は39,649円となっています。
また、同じ単身者世帯であっても、35歳未満は39,510円、35~59歳は45,883円と、35歳以降の働き盛りの世代のほうが、高くなる傾向であることがわかります(総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」2017年)。社会人になると食費にアルコール代も含まれてくるため、これも社会人の食費が高くなる要因のひとつといえるでしょう。
理想的な食費は、「1ヵ月あたりの給与の15%」という意見がある。つまり、手取りが25万円の場合は、37,500円前後を食費にあてることが理想です。
一人暮らしでは自炊と外食、どちらが節約になる?
一人暮らしで自炊をするとなると、さまざまな材料を購入する必要があるということから、外食のほうが意外と節約になると思う人もいるのではないでしょうか。
では、一人暮らしの自炊と外食、それぞれどのような面で節約できるのかを見ていきましょう。
継続的に取り組むなら自炊
自炊に継続的かつ効率的に取り組むことで、食費を大きく節約することができます。たくさんの種類の食材を買い込む必要はなく、使い回しの利く食材を選んで上手に使いきるようにしたり、カサ増し料理などを作ったりすることで、おなかを満たしながら食費を抑えることができるでしょう。
夜の外食を控えることはもちろん、昼食も手づくりのお弁当を用意することで、さらに節約が可能。食材を余らせたり、外食中心の生活で栄養不足に陥ったりするリスクも低くなるはずです。
時間の節約をとるなら外食
「時間の節約」という意味では、外食に軍配が上がります。日々仕事をする中で、朝食や昼食のお弁当、夕食の食材を購入し、毎日作り続けることはやはり難しい。ストイックな自炊によってストレスを溜め込まないよう、時には外食で時間を節約し、生まれた時間をほかの作業や休養に回してもいいでしょう。
自炊で直接的に食費を節約するか、外食で時間を節約して効率的に過ごすかは、結局のところは個人の考え方次第。ライフスタイルの中で優先したいことを決めて、何を節約すべきかを考えてみてはいかがでしょうか。
自炊で節約するコツ
ここからは、自炊でどのような取組みをすることで、節約につなげられるのかをチェックしていきましょう。
1ヵ月の食費の上限を決める
月々の食費の上限を決めておくことで、無駄遣いをなくしたり、予算を決めて買い物がしやすくなったりといったメリットが得られます。
毎月の食費を正確に把握する
まずは、毎月食費にどれくらいかかっているのか、過去の支出を確認してみよう。季節やイベントの有無によっても食費は変わってくるため、過去1年間程度のデータがあるのが理想的だ。データがない場合は、これを機にレシートを管理したり、家計簿をつけたりする習慣をつけて、食費の管理をしてみてはいかがでしょうか。
また、食材の買い物に行く頻度が高いほど支出も高くなる。そのため、買い物に行った回数もつけておくことで、意識して買い物を減らすことにつながり、節約が期待できるでしょう。
予算は1週間単位で決めておく
1ヵ月分の食費が把握できたら、例えば「1週間で8,000円」のように、1週間単位で食費の予算を決めておこう。この予算を守ることができた場合、その月の食費は32,000円程度に抑えることができます。
予算を決めておくことで、自炊メニューの決定や、買い物の際の食材選びの判断にも役立てられるでしょう。
安くてアレンジしやすい食材を活用する
使い回しの難しい食材は、冷蔵庫に残っていても捨てるしかなく、無駄になってしまうことがあります。リーズナブルで、さまざまな料理に活用できる便利な食材を選ぶことが、自炊で節約するポイントです。
アレンジしやすい食材として代表的なもやしをはじめ、野菜類はキャベツや玉ねぎ、じゃがいも、大根、肉類であればひき肉、鶏むね肉、鶏もも肉などがおすすめだ。また、卵や豆腐、春雨、ホットケーキミックスなどを安く手に入れておくことで、料理のバリエーションを広げることができるでしょう。
特殊な食材や、自分では扱いにくいと感じる食材はできるだけ避けて、メニューのレパートリーを広げていきましょう。
食材を無駄にしない
食材を無駄にせずしっかり使いきることは、買い物に行く頻度や捨てる食材を減らすことにも有効です。そのためにも、食材を長持ちさせる工夫を実践することが大切といえます。
例えば、野菜類は畑で育っているときの状態にするのが望ましいとされているため、きゅうりやにんじんのように縦の状態で実がなる食材は、冷蔵庫でも立てて保存するといいでしょう。また、ごぼうやいも類など、土の中でなる食材は、新聞紙にくるんで、日光のあたらない風通しの良い場所で保存すると長持ちするといわれています。
ほかにも、使いかけの野菜は、腐敗防止のためにキッチンペーパーで包んで、保存用袋や容器に入れて冷蔵するといいでしょう。肉類は、密閉して冷凍保存するといい。なお、肉類は加熱しておいたり、味噌や醤油で下味をつけたりすることでも長持ちさせられるため、実践してみてください。