ちまたで噂のトマトダイエット。おいしいトマトを食べてやせられるなら、トマト好きには見逃せない情報ですよね。そこで今回は、トマトダイエットについて、有効な栄養素やダイエットのやり方、注意点を管理栄養士が解説いたします。おいしく食べてきれいにやせましょう。
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トマトダイエットの効果は?
便秘を解消
トマトには、水溶性の食物繊維である、ペクチンが含まれています。ペクチンには善玉菌を増やす働きがあり、腸の調子を整える作用が期待できます。
また、ペクチンは腸内の物質と結合し、便の容積を増やすことで腸のぜん動運動を促進する効果もあります。この2つの働きにより体内の有害物質を体外に排出するため、便秘解消に効果的と言われているのです。(※2,3)
ペクチンといえば、りんごや柑橘系のフルーツに多いイメージですが、トマトにも豊富に含まれているのですね。
血流を改善
トマトの栄養素と言えば「リコピン!」が頭に浮かぶ方も多いのではないですか?リコピンは、強い抗酸化作用を持ち、活性酸素の発⽣や働きを抑制したり、活性酸素そのものを除去してくれる優れもの。
強い抗酸化作用により血液中のコレステロールの酸化を抑制することで、⾎流の障害物である血栓の生成を抑え、血流を改善してくれるのです。
また血流が良くなることで、代謝が促進され太りにくい体作りを目指すことができます。リコピンには肌をきれいに保つ働きもあり、きれいにやせるには不可欠なアイテムですね。(※4)
むくみを解消
トマトには、むくみ解消に効果的なカリウムやクエン酸が豊富。むくみの原因のひとつに塩分の取り過ぎがあります。
塩分は、体内に水を蓄える働きを持つため、摂りすぎると水分がうまく排泄されず、むくみの原因に。カリウムには、塩分を体外に排出する働きがあり、むくみの解消が期待できます。
クエン酸は、体内の新陳代謝を活性化し血液やリンパの流れを促す働きがあり、むくみ解消に効果的です。新陳代謝が活性化されれば、ダイエットへの効果も期待できますね。(※5,6,7)
脂肪燃焼
京都大学大学院 農学研究科の河田照雄教授をはじめとする研究チームが、トマトから脂肪肝や高脂血症などの脂質代謝異常の改善に有効な物質を発見したことを、2012年2月10日付けの米国のオンライン科学誌 PLoS ONE に発表しました。
13-oxo-ODAというこの有効物質は、トマトの中でも特にトマトジュースに多く含まれているようです。この研究結果からも、トマトがダイエットに効果が期待できることがわかりますね。(※8)
そのほか、ダイエット中に嬉しいポイントは?
カロリーが低い
トマトは、じゃがいもやかぼちゃなどと異なり、糖質分も少ないためカロリーが低くダイエット中でも安心して食べられる食材です。
トマト(生)……19kcal
ミニトマト(生)……29kcal
缶詰ホール……20kcal
トマトジュース……17kcal
※すべて100gあたりのカロリー(※1)
トマトダイエットのやり方とコツ
いつ食べるのがいいの?
「リコピンの吸収率は、朝がもっとも高い」という研究結果が出ています。慌ただしい朝も、カットしたトマトやトマトジュースなら、手間を取らずに食卓に出せてお手軽です。(※9)
一方で、「夜トマトダイエット」というダイエット方法もありますが、こちらは夕食の前にトマトを食べることで自然と夕食の量を抑えることができます。夕食の食べ過ぎは、肥満のもとと言われているので、理にかなったダイエット方法ですね。(※10)
そのほか小腹がすいたときのおやつ代わりにトマトを食べて間食やお菓子を減らしても。ライフスタイルに合わせて選んでくださいね。
どれ位食べればいいの?
リコピンの効果的な摂取量は具体的に決められていませんが、1日15~20mgを超えないようにしましょう。大きめトマトなら2個分(約500g)、プチトマトでは、17個分(約250g)。
また、トマト加工品にもリコピンは多く含まれており、トマトジュースなら1缶(約150mℓ)、ホールトマトなら約1/4缶(約110g)を目安にしましょう。
リコピンの含有量は、トマトの熟成度合いによって変わります。トマトを選ぶときは、できるだけ赤く熟したものを選びましょう。(※11,12,13)