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「肩」の動きをヨガポーズで整理しよう!理学療法士が解説、肩関節の8方向の動き

私たちの肩は、ふだん一体どのように動いているのでしょう?今回はヨガポーズで、肩関節の8方向の動きを解説します。

堀川ゆき

肩関節の動きって?

私達が腕を上げ下げしたり回したりといった様々な動きは、肩関節で行われています。その肩関節を自由に動かすためには、土台となる肩甲骨の動きが同時に伴うため、肩関節と共に肩甲骨の動きもとても大切です。

しかし、肩関節の動きと、肩甲骨の動きとがごちゃ混ぜになってしまっていませんか?一度ヨガのポーズで肩関節の動きを整理してみましょう。実際に肩に痛みや不安のある人や、脱臼などの怪我をした経験のある人も、きっとヨガをする時の参考になるはずです。

肩関節は、以下の8方向に動きます。

・屈曲(くっきょく)/伸展(しんてん)
・外転(がいてん)/内転(ないてん)
・外旋(がいせん)/内旋(ないせん)
・水平外転/水平内転

一方で肩甲骨は、以下の6方向に動きます。

・挙上(きょじょう)
・下制(かせい)
・外転
・内転
・上方回旋(じょうほうかいせん)
・下方回旋(かほうかいせん)

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引用:川島敏生「ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典」

肩甲骨には他にも、前傾/後傾、前方突出(前進)/後退といった表記もあり文献により異なりますが、肩甲骨の基本はこのイラストの6方向に動くと考えるのが一般的で分かりやすいです。

今回は、肩関節の8方向の動きについて整理していきましょう。

肩関節とは

さて、肩関節は私達の身体の中に一体いくつあるか知っていますか?右肩と左肩を合わせて2つ?いいえ、実は肩関節は一人の身体につき10個あるのです。

肩関節とは、

・肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)
・胸鎖関節(きょうさかんせつ)
・肩鎖関節(けんさかんせつ)
・肩甲胸郭関節(けんこうきょうかくかんせつ)
・肩峰下関節(けんぽうかかんせつ)

の5種類の関節をまとめた総称です。

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引用:川島敏生「ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典」

片腕に5つずつこれらの関節があるので、両肩合わせて肩関節は10個です。知らなかった方も多いかもしれません。これらすべての関節が協力して関わり合うことで、腕をいろんな方向に動かすことを可能にしています。そして肩関節は、胸骨・鎖骨・肩甲骨・肋骨・上腕骨という5つの骨から構成されており、これらを合わせて「肩複合体」といいます。

一般的に肩関節とは、この5つの関節のうちの「肩甲上腕関節」のことを指します。多くの人が「肩関節」といわれてイメージする部位で間違いないと思います。

肩甲上腕関節(以下、肩関節)は、肩甲骨と上腕骨から構成されています。

肩関節は、上腕骨の大きな凸状をした上腕骨の骨頭と、浅い凹状をした肩甲骨の関節窩で形成されている球関節です。関節窩は上腕骨頭の約1/3を覆うだけの緩い適合となっているため、非常に広い可動性を有しています。

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引用:川島敏生「ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典」

その反面、最も不安定で怪我を起こしやすい構造をした関節でもあります。肩関節脱臼、野球肩、五十肩などの肩関節周囲炎、腱板断裂などが主な肩の障害です。

ヨガポーズで肩関節の動きを考える

肩を壊さないための正しい動かし方のポイントは後ほど説明します。その前に、ヨガのポーズで肩の動きを一度整理してみましょう。

屈曲と伸展

ヴィーラバッドラーサナI(戦士のポーズI)で、バンザイするように正面から腕をあげる動きが肩の「屈曲」、腕をあげたその軌道を戻るように正面から下ろす動きが「伸展」です。
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Photo by Yuki Horikawa

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