外転と内転
Photo by Yuki Horikawa
腕を下ろした状態から、「屈曲」してバンザイしても、「外転」してバンザイしても、その出発点と終着点は同じです。違いは軌道です。どちらも腕を上げる動作のことを「挙上」といいます。
外旋
「外旋」は腕を外回しにする動きですが、実は腕を挙上した時に「外旋」は必ず起こります。特に外転して挙上した時に、約90°あげた辺りから自然と肩の「外旋」が起こるのです。
肩関節の「外旋」で肩甲骨が内転して、胸椎は伸展します。つまり、腕を外回しにすると、胸が開く方向に肩甲骨が後ろから背中を押すように誘導してくれるのです。肩の「外旋」はヨガのあらゆるポーズで必要な動きです。
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内旋
「内旋」は腕を内回しにする動きです。ヨガで両手を背中の後ろに回すようなポーズは、すべて肩の「内旋」が必要です。
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背中で両肘をつかんだり、背中で合掌や、バッダパールシュヴァコナーサナ(手を組んだ体側を伸ばすポーズ) や、セツバンダーサナ(橋のポーズ) などです。これらのポーズは同時に「伸展」も起こります。
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水平外転と水平内転
「水平外転」は、90°外転位から腕を水平に外側へ、「水平内転」は90°外転位から腕を水平に内側へ動かす動きです。
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同じく、身体の向きは変わっても、パリヴルッタトリコナーサナ(ねじった三角のポーズ)で、腕を天井に伸ばす動きは「水平外転」、その腕を床に降ろす時は「水平内転」です。
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今度は、少し複雑そうなヨガポーズで肩の動きを考えてみましょう。
ゴムカーサナ(牛の顔のポーズ)
上下から後ろに両手を伸ばしてつなぐ、複雑な肩の動きを伴ったポーズです。この両腕の形は「アプレー・スクラッチ・テスト」といって、患者さんのリハビリの際に肩関節の可動域をチェックするテストでも頻繁に用います。
まず上の肩の動きを見てみましょう。これは実は「屈曲」「外旋」「外転」の3つの動きが合わさった複合運動です。そして下の肩の場合は、上の肩とまた違って「伸展」「内旋」「内転」の3つの動きが同時に起こっています。非常にややこしいですよね。
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