毎年11月になると気になるのが「ボジョレー・ヌーボー」。この新酒を飲めばその年のワインの良し悪しがわかるといわれるもの。今年はどんなできなのか、はやく確かめたい!今回は待ち遠しい解禁日の前に、解禁日ができた歴史などを紹介します。
ボジョレー・ヌーボーに解禁日があるのはなぜ?
ボジョレー・ヌーボーとは、毎年ワインのシーズンはじめにその年のワインのできばえを確かめるための新酒のことです。
新酒によってその年のワインの価値が決まるので、これを求めるおもな顧客はワイン業者でした。それがいつの間にかイベント化され、ワインのできばえを確かめるためのボジョレー・ヌーボー自体が人気になっていったとか。
大々的にイベント化したことで人気が高まり、それに合わせて生産者はもっと早く顧客にボジョレー・ヌーボーを届けよう!とこぞって競争するようになってしまいました。
儲けに先走った結果、まだ十分に醸造できていない品質の悪いワインまで出荷するようになり、ボジョレー・ヌーボー全体の品格を落としてしまうことになったのです。
そこでフランス政府が先頭に立ち、「ボジョレー・ヌーボーを売っていいのはこの日から!」という明確な日を定めました。それが現在のボジョレー・ヌーボー解禁日です。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日はいつ?
ボジョレー・ヌーボーの解禁日設定の歴史を紹介したところで、具体的に解禁日はいつなのかを紹介しましょう。
解禁日は毎年11月の第3木曜日と定められています。きっちり何日、と決まっていないところや同じ時期に設定されているところがアメリカの「感謝祭」とよく似ていますね。
今年2019年の場合は11月21日、来年2020年11月19日となっています。
解禁後に購入するには
法律で定められているので、11月の第3木曜になった瞬間、午前0時00分からすぐに販売が開始されます。24時間営業の店舗では、その解禁の瞬間を待ちわびたお客さんが行列をなしていることもあるそうです。
ボジョレー・ヌーボーは日本でも毎年話題になるイベントなので、それだけ盛り上がっても不思議ではありません。
全国のスーパーでも、11月のイベントのひとつとして大々的に取り上げられ、ボジョレー・ヌーボー特設コーナーが設置されることが多いです。ワイン専門店ではなくても、この時期はどのスーパーも品ぞろえ豊富!苦労せず購入できることが多いです。
ボジョレー・ヌーボーについてもっと詳しく!
名前の意味と産地
そもそも名前の由来は地名です。フランスワインの二大産地のひとつブルゴーニュ地方にあるボジョレー地区、これが元になっています。この地区で作られ、赤ワインであればガメイ種、白ワインであればシャルドネ種を使ったものだけが「ボジョレー」を名乗れるそうです。
そして「ヌーボー(ヌーヴォー)」とはフランス語で「新しい」という意味。ふたつをつなぎ合わせた「ボジョレー・ヌーボー」はまさに「新しいボジョレーワイン」です。
ちなみに、ボジョレーがつくのはボジョレー・ヌーボーだけではありません。この地区のワインには、「クリュ・ボージョレ」や「ボージョレ・ヴィラージュ」といったワインもあります。
毎年違う!ボジョレー・ヌーボーの評判
毎年話題になるのが、その年のボジョレー・ヌーボーの評価ですよね。日本では現地フランスよりも盛り上がっているのではないか、というほどメーカー・流通ともにボジョレー・ヌーボーをアピールしている印象があります。
毎年品質とは別に、百貨店やワインアドバイザーなどが味の評価をしています。それがその年のキャッチコピーとして話題になっているものです。
過去どんなものがあったかと振り返ってみると、意外と高評価が続いています。直近では、2015年が「今世紀最大のでき」と評価されていてすごい!と思うと、すぐ前年の2014年は「50年に一度のできといわれた2009年を超えるできばえ」と評価されており、ちょっと拍子抜けします。
このような感じで例年言葉を変えて高評価が続いているのですが、なぜか不評だった年があります。それが2012年。キャッチコピーは「ボジョレー史上最悪の不作」というもの。
今となっては2012年のボジョレー・ヌーボーの味を確かめることはできませんが、どれだけひどかったのかちょっと気になりますね。