手軽に手に入り床の拭き掃除ができる「フローリング用掃除シート」。今回は水拭きで汚れをしっかり落とす「ウェットタイプ」にフォーカス。製品によってはすぐ乾いたり、汚れが十分に落ちなかったりと、使ってみなければその実力はわかりません。そこで今回は、ドラッグストアやAmazonなどで入手できる30製品をテスト。1枚でさっぱりキレイになる、優秀なフローリング掃除用シートを探します。
基本④：どんな成分が使われているかでシートの洗浄力が異なる
油汚れには界面活性剤とアルカリ剤が効果的
油の飛沫汚れ、クレヨン、油性マジックといった汚れには、界面活性剤と重曹やセスキなどのアルカリ剤が効果的です。しかし、pH11を超えて強アルカリ性になると床材を傷める恐れも。電子レンジの油汚れ用のシートなどはpH11を超える製品が存在するため、用途に合わせた使用を行うべきといえます。
エタノールや流動パラフィンは使い心地に効果的
エタノールは主に滑りやすさと薬液の蒸発スピードを速める効果があります。殺菌作用があると有名ですが、菌が発生・増殖しやすいフローリング床においては効果は低いとされています。また、流動パラフィンは無色透明でサラサラした潤滑油。滑りやすさとシート繊維へのゴミの吸着に効果的です。食品添加物や化粧品用途として使われることもあり、安心して使用できます。
界面活性剤は汚れの剥離・付着防止に効果的
界面活性剤は乳化作用によって、床に付着した油汚れを分離させます。分離することで油分がシートに吸着し、汚れが落ちるメカニズム。その後の付着防止にも効果があります。
ウェットタイプの掃除シートの基本がわかったところで、早速本題のテストに入りたいと思います。
優秀なウェット掃除シートを探して30製品の洗浄力など4項目をテスト
1枚でしっかり汚れが拭き取れるフローリング用ウェット掃除シートを探すべく、ドラッグストアやホームセンターをはじめ、アマゾンなどの通販サイトで購入できる30製品を集めてテストを実施。家中のどんな汚れも落とせる優秀な製品を探します。
テストしたのは、次の4項目です。
テスト①：4種の汚れの洗浄力（60点満点）（粘性液、コーヒー、クレヨン、擬似花粉）
実際の家庭内の汚れを想定して、ひと拭きしたときの汚れの落ち具合をチェック。粘性液、コーヒー、クレヨン、擬似花粉と4種類の汚れの落ち具合を採点しました。
粘性液（皮脂汚れを想定）、乾燥させたコーヒーのベタつき、固形汚れのクレヨン、擬似花粉（ホコリを想定）の落ち具合を比較しました。
テスト②：ウェットの持続力（15点満点）シート1枚の洗浄液の持続力をチェック
フローリングの床を一定の速度と負荷をかけて拭き続け、洗浄液が切れた時点で計測を終了。拭けた距離から面積を算出しました。
テスト③：拭きもれ（10点満点）拭きもれの少なさをチェック
ワイパーに150gの重りを載せ、ひと拭きしたときの拭きもれの少なさを調査。もれの少ない製品を高評価としました。
テスト④：コスパ（15点満点）シート1枚あたりの単価をチェック
購入価格と内容量からシート1枚あたりの価格を算出。洗浄力は考慮せず、純粋な価格だけで評価を行いました。
以上の4つのテストの結果を、洗浄力は15点×4項目の60点満点、拭きもれは10点満点、ウェット持続とコスパは15点満点の合計100点満点で採点します。加えて補助検証として、シートに含まれる洗浄液の割合（含水率）もあわせて調査。結果は総合評価の高かったものから順に、ランキングでご紹介します。
さて、あらゆる汚れをしっかり落とせる優秀なウェットシートは、いったいどの製品なのでしょうか？ それではランキングを発表します。
5層シートとたっぷり洗浄液が汚れを一掃するユニ・チャーム
ユニ・チャーム
ウェーブ フロア用ウェット
実勢価格：627円
内容量：18枚（1枚あたり34.8円）
洗浄液の割合：弱アルカリ性 8.0pH（実測値）
▼テスト結果
洗浄力（粘性液） ：15点／15点
洗浄力（コーヒー）：12点／15点
洗浄力（クレヨン）：12点／15点
洗浄力（擬似花粉）：12点／15点
ウェット持続力 ：15点／15点
拭きもれ ：9点／10点
コスパ ：4点／15点
合計 ：79点／100点
30製品中1位に輝いたのは、ユニ・チャーム ウェーブ フロア用ウェット。洗浄力は30製品中1位で、どの汚れに対しても高い洗浄力を見せつけました。ウェット持続力や拭きもれの少なさでも高得点をマーク。1枚あたりの値段は少々割高ですが、付け替えの手間が省ける分厚いシートでつくられている点が非常に魅力的です。
